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宇宙エレベーター [状況と歴史]

宇宙エレベーターの事は,
私の帝国美術館を1万メートルの高さで建てるという構想があって、
どうしても必要な技術でありました。

この情報を教えてくださったのは五十嵐太郎さんだったのですが、
今日、日経ビジネスのサイトで見つけたので、ペーストしておきます。

さらに画像を付け加えておきます。


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しかし、この夢のような話は、もはやフィクションから現実へと向かって着々と進行しているのだ。
2009年7月現在、地上100キロメートル以上の宇宙空間を体験した人は、地球を回る軌道に入らない弾道飛行(準軌道飛行)を含めれば、500人を超えているという。
 これらの500人強の人が利用した乗り物は、もちろん、ロケットである。
 エレベーターで宇宙へ行こう。
 そう言われて、あっけにとられないのは、世界でもごく少数の人間に限られるだろう。
 SF作家アーサー・C・クラークの著作『楽園の泉』にも、宇宙エレベーターは登場する。クラークは、スタンリー・キューブリックが映画化した『2001年宇宙の旅』の作家であると紹介した方が、SFファン以外にはわかりやすいかもしれない。

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日本で宇宙エレベーターに取り組む中心人物のひとりが、日本大学理工学部の青木義男教授だ。
「アホなことを。そう人は言うかもしれない。でもアホなことも大切」と、青木教授はつぶやく。
 
「蜘蛛の糸」のイメージで宇宙へ
 
 エレベーターといっても、我々が一般的に考える建物の中に設置されたものとは違う。イメージとしては、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」のように、天空から垂らされた糸を伝って昇る姿を想像した方が近い。
 では、どうやって糸を垂らすか。

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 大ざっぱに言えば、人工衛星から垂らすのである。
 地球を回る人工衛星は、地球の重力で内側に引っ張られる。が、遠心力で外側に飛び出す力と釣り合うことで、高度を維持して地球の周りを回転し続けている。これまで世界で打ち上げられた人工衛星は6000個以上、現在も3000個が旋回中だ(JAXAホームページより)。
これらの人工衛星のうち、赤道上の高度約3万6000キロを回る人工衛星は、周期が地球の自転と同じで、地上から見れば相対的に静止して見えるので「静止衛星」と呼ばれる。ここから地上に向け、頑丈なテザー(ワイヤーやリボン状の紐)を垂らす。
 テザーの重さで衛星が落ちてしまわないように、地球と反対側にも同じだけテザーを伸ばすと、衛星はバランスを維持し続けながら地球を回る。これをモノレールの線路のようにして昇降機(クライマー)を宇宙に向かって走らせるというのが、宇宙エレベーターのおおよその原理だ。


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この構想は、約50年前に既に発表されている。しかし、技術上、実現は困難とされてきた。特に、地上に垂らすテザーの強度は、計算上、鋼鉄の180倍が必要だ。
 ところが、1991年、日本のNEC筑波研究所(当時)の飯島澄男が発見したカーボンナノチューブという新素材が、その条件に見合い、一気に宇宙エレベーターの実現への難路に光が見えてきた。



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 米国の航空宇宙局(NASA)は、2000年、宇宙エレベーターの実現可能性を探り始め、「十分な軽さと強さを持つ材料が開発されれば、建設可能」という結果を得た。2005年から、その技術を探るため、宇宙エレベーター競技会も開催されている。
 そして北米以外で初めて、第一回宇宙エレベータ技術競技会(主催・社団法人宇宙エレベーター協会)が、2009年8月、千葉県で開催された。その審判席に青木教授の熱い視線があった。
 
守りから攻めへの転換点

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青木教授が「宇宙」に取り組んで、まだ1年数カ月しかたっていない。
 学者としての業績の第一歩は、強化プラスティックに関する研究だった。1981年、25歳の青木は、強化プラスティック協会論文賞を受賞する。マンションなどの共同住宅の屋上に設置された、円筒形のFRP(繊維強化プラスティック)水槽に関する論文だった。
 順風満帆に学者への道を目指してきたわけではなかった。
「オフレコにしたいけれど、高校時代は、2度も停学処分を受けたような生徒だった。修学旅行にも参加できず、自宅で反省文を書かされて(苦笑)」
「失った信頼を取り戻すのには、その何倍もの努力が必要になる」。その言葉通り、青木は、人の3倍努力することを心がけてきた。そのためには、無駄なことはさけ、馬鹿なことをいう暇も惜しんできた。
 「けれど、そろそろアホなこともやっていいかな」
 

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 第一の理由は、大学の人間として、つまり後進の研究者を育てるという視点に立てば、一心不乱に研究データを積み重ねるだけでは、いけないのではないかという思いだった。
 
宇宙へ行く? そんなのできっこない

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 ここ数年、青木にとってつらい事故が立て続けに起こった。エレベーターの事故や、ジェットコースターの事故だ。直接かかわっているわけではないが、構造力学や複合材料力学、最適構造設計などをフィールドにし、10年以上エレベーターも研究する学者として、新聞社などからコメントを求められた。

 そんな日々を経て、偶然、宇宙エレベーター協会の講演会に足を運んだのが、2008年4月のことだった。
 「地上のエレベーターの研究だって大変なのに、宇宙へ行く? そんなのできっこない」
 それが、最初の実感だ。

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 しかし、できないことをそれで片付けてよいのか。自分の目が黒いうちに実現する可能性は限りなく低い。だから放棄するのか…。
 たとえ世界が明日終わるとしても、未来を見ている。
 それが、自分にとっても学生にとっても必要な姿である。

 青木研究室に、宇宙エレベーターのクライマー開発というテーマが加わった。実験機の製作は大学院生が担当する。卒業研究テーマでも「宇宙エレベーター」が選ばれた。
 「この卒業研究には、正しい答えはない。答のない問題の答を探そう」
 ちなみに、社団法人宇宙エレベータ協会に参加した学者は、青木が最初だった。
 
0.000004%の挑戦

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 千葉県船橋市にある日本大学二和校地の2009年8月8日は晴天だった。
 宇宙ステーションの代わりに、バルーンが上空150mの高さまで上げられ、車のシートベルトがテザーとしてぶら下げられた。
 グラウンドの端では、参加8チームが簡易テントの下で着々と準備を進めていた。参戦したのは、日本大学理工学部から2チーム、神奈川大学工学部から2チーム、名古屋大学工学部、静岡大学工学部、ミュンヘン工科大学(ドイツ)、個人参加の「チーム奥澤」の8チームだ。

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いずれも手弁当で、自ら旋盤を削りつくり出したクライマーたちは、スーパーマーケットの買い物かごに入りそうな大きさである。
 競技のルールは、制限時間内での、上昇速度とほかの評価項目で競う。が、単なる記録競争ではない。各テントでは、自チームのクライマーの特徴をパネルで展示していた。このアイデアは、青木教授の提案による。互いのアイデアで、刺激し合い、さらなる技術開発を進めるという、この競技会の大きな目的はここにある。
 風にテザーがなびく。ねじれるテザーにはばまれて、クライマーが止まる。初日の午後は、強風で、テスト昇降に切り替えざるを得なかった。各チーム寝ずの最終調整でのぞんだ2日目も晴天。
 青木は、ストップウォッチを片手に、記念すべき第一回の競技を見守った。
 机上の理論や、コンピュータ内の計算では起こらない、現実が次々と起こる。
 北米以外で初めての大会とはいえ、賑やかな観客席などない。
 自分たちが製作したクライマーを、真剣に見上げ、歓声を上げる研究者たちは、何も知らない通行人から見れば、新種のラジコンで遊んでいるように見えたかもしれない。
 優勝は、2005年から開発を進め、150メートルまで上げられる実験をできると滞日4日間という強行スケジュールで来日したドイツ、ミュンヘン工科大学チームだった。このチームは、2007年米国で記録された秒速2メートルの速度を打ち破り、150メートルを52秒で上った。
 3万6000キロからすれば、150メートルはわずか0.000004%に過ぎない。
「初日にあんなに高く見えた150メートルが、もうわけなく見えてくる。来年300メートルにしても、難なくクリアできるかもしれない。いつの日か、何だ3万6000キロなんて大したことないじゃないかと」
 
「アホなこと」がやがて天空に届く
 
 機械系エンジニアの使命は、どんなに小さく粗末なものでも、理論を形にして作り上げ、見せることだと青木は言う。
「アホなこと」と自嘲気味に微笑みつつも、小さくとも一歩ずつ進む。ゼロからは何も生まれないが、150メートルの実績の種は、やがて芽を出し、天空に届く大樹となるだろう。
「もし明日、世界がなくなるとしても、何か作り続けているって素晴らしいじゃないですか。それが世界の崩壊を防ぐかもしれない」
 これまでも、これからも、未来はこうして作られる。

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13本の木村静動画リポートと建築系美術ラジオ6本 [告知]


PortSide Yokohama


木村静さんの13本の動画リポートが、
ポートサイドステーションに掲載されました。

上記では5本ですが、

【YouTube画像】として、
木村静さんの13本が並んでいるのは、
なかなか壮観です。
と、思って下にペーストしたのですが、
きれいに出来なかったのと、数が多いので、
ダブりがあるかもしれません。
未確認ですみません。

このツアーについて/林剛人丸 GO FRIGHT AIRSHIP

越後妻有トリエンナーレ動画リポート#02 R&Sie建築事務所(フランス) アスファルト・スポット

越後妻有トリエンナーレ動画リポート#03 

山本想太郎 建具ノニワ

越後妻有トリエンナーレ動画リポート#04

 彦坂尚嘉 フロアーイベント2009

Echigotsumari2009_Hikosaka_Making_0

Echigotsumeri_making_Hikosaka2

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Echigotsimari2009 HIKOSAKA

Echigotsumari italian restaurant making

越後妻有トリエンナーレ動画リポート#05 

オル・オギュイベ(ナイジェリア) いちばん長い川

Echigotsumaritour2009_06Richard Wilson(UK)

Echigotsumaritour2009_07 Anne Graham (Australia)

 158 クリスチャン・ラピ 砦61 
194 アンティエ・グメルス 内なる旅
 杉浦久子 杉浦友哉 杉浦研究室 昭和女子大学 生活環境
 112 ジャウマ・プレンサ 鳥たちの家 

 Echigotsumari2009 Anne Graham




ドキュメント映画の歴史の中でも,
こうしたショートショートの記録映像を並べて行くという手法で、
展開するのは、今までに無い事です。
YouTubeならでは、時代だといえます。

これと、建築系美術ラジオの放送も平行して発信されていますので、
今までに無い、発信のスタイルになっていると思います。
下手な鉄砲の数打てば当たるということに過ぎませんが、
関わっている本人は、面白い経験でした。
木村静さん、松田達さんに感謝です。

越後妻有アートトリエンナーレ
聴く: 建築系ラジオ緊急謝罪会見「『こたつ問題』欠席裁判」
(MP3形式、28.7MB、41分45秒)

(MP3形式、14.4MB、20分59秒)

(MP3形式、35.8MB、52分09秒)



越後妻有アートトリエンナーレ
聴く: 越後妻有トリエンナーレ特集「異種格闘技戦的作品論」
(MP3形式、34.7MB、50分30秒)






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こたつ問題2/五十嵐太郎氏のコメントあります(加筆2) [建築]

 以前のこたつ問題のラジオに対して、不快という反応が起きていたのですが、以下にご紹介するラジオは、大変に長いものですが、25分くらいからこたつ問題が語られています。


これへの反発が起きていて、さらに強い批判をなげかける反応が来ています。その反応のメールを引用できると良いのですが、個人メールということもあるので、控えます。

  彦坂尚嘉の私見を申しあげれば、こたつ作品そのものは、非常に素朴な破綻性を持つ作品で、東京大学工学部建築学科の大学院生で、
しかも数百万の高額な懸賞金を稼いできたという風聞を聞いているカリスマ建築家である人たちのものとしては、非難されても仕方がないものであります。
 
 これに対する建築系ラジオの批評性に対する批判や、非難が起きる事自体は良いと思いますが、その中に批評の自由や、言論の自由に対する配慮が無い事が気になります。

 批評や言論と言うものは、不愉快なものなのです。
 リスナーが自分にとって不愉快なものを非難し、排除しようとする、素朴なまでのフロイトの言った快楽原則的な反応は、その素朴さそのものが、こたつ問題の本質を指し示しています。
 素朴なまでの建築性の欠如と、
 素朴なまでの批評や言論への視点の欠如であります。

 こうした素朴性への居直りは、子供であって、それは悪なのです。
 大人が子供のように振る舞うのは悪なのです。


37B: オープンデスク学生との本音トーク「夏のオープンデスクを終えて」

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夏のオープンデスクで事務所に来ていた学生の最終日のお別れ会にて、二週間の研修を終えた感想や、最近の建築界で感じることなどについて、自由に語ってもらいました。オリジナルとコピーの問題から、プライベートとオフィシャルの問題まで、3人の学生とのぶっちゃけトークです。1時間を大幅に越えるこれまでで最長のコンテンツですが、議論の内容はしっかりしているので、そのまま配信します。ここまで学生が主役になったコンテンツは初めてかもしれません。25分頃から、ある問題に焦点を絞って話をしています(2009年8月30日、松田達建築設計事務所にて)。

松田事務所の日常
聴く: オープンデスク学生との本音トーク「夏のオープンデスクを終えて」
(MP3形式、38.4MB、1時間23分57秒)


出演者:松田達+角田博由起(呉工業専門学校)+亀田浩平(新潟大学)+多田啓太郎(千葉大学)

タグ:こたつ問題
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異種格闘技戦的作品論 [建築系美術ラジオ]

37A: 越後妻有トリエンナーレ特集「異種格闘技戦的作品論」

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越後妻有トリエンナーレの合同ツアー(アート・スタディーズ+建築系ラジオ)、一日目終了後のトーク。美術と建築だけでなく様々な分野のツアーメンバーが、異種格闘技戦的に訪れた作品について語りました。下記の作品について触れています。R&Sie建築事務所《アスファルト・スポット》、原広司+アトリエ・ファイ建築研究所《越後妻有交流館「キナーレ」》、武蔵野大学 水谷俊博研究室《アーチの森 2009》、杉浦久子+杉浦友哉+昭和女子大学杉浦ゼミ《雪ノウチ》、福屋粧子《森のひとかけら》、ビリ・ビジョカ《田麦の本》、彦坂尚嘉《フロアーイベント 2009》、加治瑞穂《(Re-Analemma) ←White hole→》、大久保英治《水を考える部屋》(2009年8月9日、越後妻有松之山エリア「三省ハウス」にて)。

越後妻有アートトリエンナーレ
聴く: 越後妻有トリエンナーレ特集「異種格闘技戦的作品論」
(MP3形式、34.7MB、50分30秒)

出演者:彦坂尚嘉(美術家)+原田裕規(武蔵野美術大学)+田邊寛子(まちづくりコンサルタント)+玉田俊雄(アート・コンサルタント)+太田丈夫(美術研究家)+山田英久(映画プロデューサー)+秋本珠江(美術家)+田嶋奈保子(美術家)+中川晋介(アーティスト)+小池美津貴(立教大学)+高橋勝三(映画関係)+吉川彰布(東北大学五十嵐研究室)+木村静(フリーメディア活動家)+市川紘司(東北大学五十嵐研究室)+三橋倫子(照明設計)+五十嵐太郎(建築批評家)+山田幸司(建築家)+松田達(建築家)


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アーティストと職人の違い/Skyepとアンディ・ウォーホル(改題校正2最後に加筆2) [生きる方法]

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遅まきながら、Skyepを始めました。
ずいぶん前から、いろいろな人に言われながら、
なかなか踏み切れなかったのですが、
数人の若い人に助けられて、開通です。

無料、あるいは低額での電話がかのうということは、
驚きがあります。
昔、電話は本当に高額であったのですが、
それが現在では無料に近いものまでなってきた。

先日は、若いアーティストのAさんと、4時間を超える長電話を、
このスカイプでやりましたが、
そこで何をしゃべっているのかと言うと、
アーティストというものと、普通の市民との違いを説明する事でした。

たとえば、このソネットのブログの中で、
アートの枠組みで、常にトップを走っているROUTE616のブログです。
きれいな写真と、しゃれた文章で、多くの支持を集めていて、
ナイスが、500を超えて獲得しているのも、たびたびあります。

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こうしたすぐれたブログを展開しているにもかかわらず、
このROUTE616の主催者のshinさんは、本名も顔写真も伏せています。

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これは彼だけでなくて、上位のブログを見て行くと、
ほとんど全部が、匿名であるのです。

1回で500ものナイスを集められるブログを書く人が、
何故に匿名で、顔写真も伏せるのか?


こうした匿名性こそが、人間の本性であって、
人間の自然性としては、こうして匿名に隠れているものなのです。
それは自然の中にいるうさぎのような小動物が、常に物陰に隠れて、
安全を確保する事が大切である事と似ています。

500ものナイスを集められるという事も、
実は、アーティストの特性ではなくて、
職人の特性なのです。
職人というのは、例えばシルクスクリーンの刷り士の場合、
きれいに刷って、誰にも「きれいだね」とほめられるように、
刷ります。

それに対して、アンディ・ウォーホルの刷は、
ムラがあって、汚いのです。

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「こんなので良いのですか?」と聞くと、
アンディ・ウォーホルは、「良いの」と答えるのです。
作家の責任で汚くムラムラに刷っているのであって、
それを「良し」と答えるのは、
そのアンディ・ウォーホルという作家一人で責任を負う事で、
成立するのです。
つまり万人の賞賛や肯定を得ない所で、
たった一人で、《良し》とする所で成立するのです。
これがアーティストの仕事です。

つまり職人の刷りは、万人の賞賛と肯定を得るのが前提で
成立して、これが匿名性というものなのです。
そしてそれがデザインワークなのです。

ブログで上位を占めている人々が、ほとんど全員が匿名であるのは、
こうした職人性とデザインワークによる、
多数の支持を集めているからです。

逆に言うと、アンディ・ウォーホルのような
アーティストというのは、500人のナイスではなくて、
500人のブーイングを浴びる事を引き受けて成立するのです。
500人からのブーイングを浴びる事を覚悟する事で、
実はアーティストが成立するのです。

しかし多くの現実に存在するアーティストは、
500のブーイングを浴びる事を選択しようとはしていません。
むしろ他人にほめられて、ナイスをもらう事を目的に
作品をつくり、発表しているのです。
つまりそれは職人的であり、そしてデザインワーク的なのです。
アーティストと名乗って、本名も明らかにしているにもかかわらず、
多くのそれはデザイナーであり、職人なのです。

若い作家のAさんも、根本において、
多くの常識的な人を読み込んで、
リアルな反応を空想して、物事を決めるのです。
これはアーティストとしては間違いです。
職人であり、デザイナーの心性を示しています。

芸術の基本は、500人のナイスを獲得する所には無いのです。
500名のブーイングに芸術の基本があるのです。

自分の名前を出して、自分の顔をさらして、
万人のブーイングに身をさらして、
一人で責任をとって、腹を切って、無意味に犬死していくのが、
アーティストなのです。
アーティストが狂人や犯罪者に近いのは、こうした無意味な死に
向って行く生き方からです。
何故にこの悲惨な生き方を選べるのか?

それは不幸だからです。
普通に直接的な幸せを追って生きて行く事が出来ないからです。
だから芸術という、別の秩序/学問の厳密さの中に、
自分の満足を追って生きて行く。
それは直接的には、普通の人が肯定する結果を追いかける生き方とは、
別の基準の生き方なのです。

500人がナイスを投票するような次元というのは、
匿名性と職人性で成立する世界であって、
芸術の世界ではないのです。

このように、普通の80%の人が追いかけているナイスに結果する生活世界というものの、外の世界が存在するのです。その外の世界に芸術や、学問や、哲学や、真理が存在しているのです。このことを認めないと、人類の文明における文化そのものの巨大さは、理解できません。

見の丈という日常的リアリティの中にあるのは、500人のナイスであり、匿名の世界であり、職人の世界であるのです。それは工芸や、デザインや、手芸、そしてイラストや、漫画です。

では、その生活世界や、自然的な世界の外に出て行く事は、
いかにして可能なのでしょうか?

その基本は、ナイスをくれるような500人が生きている社会の外に、
出る事です。
裸足で、砂漠の中に出て行って、砂漠の空の向こうにあるものと出会って、
語り合って、帰ってくる事が必要です。

多くの人々が生活する街からでて、砂漠や、山岳といった、
他人のいない所に出て行くのです。
そこで自分以外の普遍的な他者に出会う必要があります。

芸術というものをささえているのは、
市井の人々の生活世界の外の、荒野のはるか彼方にある普遍的な他者です。
それは自分自身以外の普遍的な他者です。
街の人々の直接的な生活世界から出て、離れ猿になって、
普遍的な他者と出会うことが、基本なのです。

今日のアートをこのようにしては語り得ないと思われる方々が多いのは
知っていますが、
しかし離れ猿の存在は、原始時代から、今日のアンディ・ウォーホルまで、
そしてジェフクーンズに至まで、
一貫して続く普遍的他者と向き合う構造なのです。

自分の名前を名乗り、
そして職人性を捨て、
500人のナイスを拒絶して、
一人、人々と離れて、普遍性に出会って行く事。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

そして
もう一度、
人々が生きる生活世界に
戻ってくる事。

日本の現代美術が戻ってこないで、
行ったきり帰らない
神風特攻隊の様であると書いた
フランスの美術評論家がいました。

もう一度
人々の中に帰ってくる事が、芸術を成立させるのです。
そのためには、
学習が必要です。
音楽家になるためには楽譜を読んだり書いたりすることができるリテラシーが必要なように、色彩について学び、構図について学び、プロポーションを使いこなすように学び、美術史を学び、空間構造論を学び、クオリティコントロールの方法というような、さまざまなリテラシーを学ぶ必要があるのです。それは音楽や、建築や、文学と同様に、高度の専門職だからであります。美術家は、単なる精神障害者や、野蛮人ではなくて、高度な芸術学を学び使いこなせる美術リテラシーの専門職なのです。


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Evan Roth [アート論]


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                            彦坂尚嘉責任による Evan Rothの芸術分析

《想像界》の眼で《超次元〜第41次元》の《真性の芸術》
《象徴界》の眼で《第41次元〜超次元》の《真性の芸術》
《現実界》の眼で《超次元〜第41次元》の《真性の芸術》

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な表現
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な表現

《シリアス・アート》と《気晴らしアート》の同時表示
《ハイアート》と《ローアート》の同時表示
《芸術》と《反芸術》の同時表示

シニフィアンとシニフィエの同時表示

《透視画面》『オプティカル・イリュージョン』【A級美術】

フリーアート提唱者であるエヴァン・ロスの作品は、
彦坂尚嘉の芸術分析では、大変に良いものなのです。

こうした作品を高く評価することは、
ある意味では誰にでも出来るものではないのであって、
そのことは、最初にキャンベルスープのアンディ・ウォーホルの作品に
出会って、1960年代半ばに、何人の日本人が名作と認識できたかどうかを、
考えてみれば良い。

以下、エヴァン・ロスへのインタビューを引用しておきます。

 【出典】東京FAT
     http://tokyo.fffff.at/ueoka-seiji/

インタビューに協力してくれたEvanとTobiに大きな感謝を!
Evanへのメールインタビュー全文とその翻訳は続きからご覧ください。

Interview with Evan Roth

Could you give us a brief introduction of yourself?
自己紹介をお願いできますか?

I am an American artist currently living in Hong Kong. Most of my work be it on the web or on the streets tends to involve the overlap of free culture and popular culture. Three years ago I co-founded the Graffiti Research Lab with James Powderly during a fellowship at the Eyebeam OpenLab, and since then James and I have also co-founded the F.A.T. Lab.

僕はアメリカ出身のアーティストで、今は香港に住んでいます。作品のほとんどはウェブやストリートをベースにしていて、フリーカルチャーとポップカルチャーのオーバーラップに関するものが多いです。3年前、特別研究員としてEyebeam OpenLabを訪問していた時に、僕はJames Powderlyと一緒にGraffiti Research Labを始めて、その後F.A.T.もJamesと一緒にスタートさせました。

How did F.A.T. lab start?
F.A.T.はどのようにして始まったのですか?

F.A.T. lab started almost 2 years ago in conversations between James and myself. We saw ways of extending ideas we were testing with GRL to include a wider range of creators, as well as a broader audience. We were interested in “cooling” open source, and saw opportunities that existed beyond the scope of G.R.L. We had a network of friends and collaborators, including Jamie Wilkinson and Theo Watson, that acted as initial core members, and from there we picked up more members along the way. Much of the foundation of F.A.T. was also based off of Jonah Peretti’s concept surrounding the Eyebeam OpenLab. Jonah is currently an active F.A.T. advisor and still plays a big role in the lab.

F.A.T. はだいたい2年前、僕とJamesとの会話の中から始まりました。G.R.L.での活動を通して、僕たちにはさらに広く、多くのオーディエンスに向けた、より発展的なプロジェクトに関するアイディアが浮かんでいました。僕たちはオープンソースカルチャーを「クールなものにする」ことに興味があって、そしてアイディアの多くはG.R.L.のそもそものスコープよりも遥かに広かったんです。僕たちには、初期F.A.T.のコアメンバーであるJamie WilkinsonやTheo Watsonを含む、様々な友人やコラボレーターのネットワークがあったので、そこから徐々にメンバーを増やしてきました。それと、F.A.T.のコンセプトの基礎はEyebeam OpenLabのJonah Perettiによる部分が大きいです。彼は今でもF.A.T.のアドバイザーとして、大きな役割を果たしています。

What is the main objective of F.A.T. lab?
F.A.T.の目的は何ですか?

In part F.A.T. lab was founded to extend some of the ideas we had tested in the Graffiti Research Lab. From G.R.L. we had had experimented with inserting open source ideals into popular projects via graffiti, and the F.A.T. lab was a way of extending these ideas beyond graffiti and public space projects. The main objective of F.A.T. is to spread free culture and open source ideals into pop culture, primarily via the production of creative web based initiatives.

F.A.T.が設立された目的の一つは、 G.R.L.で僕たちが試したアイディアを拡張することにあります。G.R.L.は僕たちにとって、グラフィティを通してオープンソースの理念をポップカルチャーに導入する実験だった訳ですが、F.A.T.で僕たちが試みようとしているのは、このアイディアをグラフィティやストリートアートを超えた、さらに広い領域に拡張することです。つまり、F.A.T.の一番の目的は、フリーカルチャーやオープンソースカルチャーの理念を、主にウェブベースの作品発表を通してポップカルチャーに浸透させることにあるのです。

What kind of people does F.A.T. lab consist of?
F.A.T.はどういった人たちで構成されているんですか?

F.A.T. consists of people that make stuff and have interests in sharing. Skill sets range from programming, crafting, music, graffiti, DIY, activism, electronics, art and the web.

F.A.T.は、何かモノを作っていて、情報を共有することに興味のある様々なメンバーによって構成されています。個々人のスキルは、プログラミング、工作、音楽、グラフィティ、DIY、アクティヴィズム、電子工作、アート、ウェブなど多岐にわたっています。

Where do F.A.T. members find their inspiration for the artworks?
F.A.T.のメンバーはどういう所から作品へのインスピレーションを受けていると思いますか?

The group is rather diverse, and spans across multiple continents so the inspirations are quite different. In general, however, I think most members of the group are interested in humor and fun as a means towards communicating broader (and at times subversive) messages.

F.A.T.のメンバーは本当に多様で、世界中に散らばっているから、インスピレーションの源は大きく違っています。でも一般的に言えば、ほとんどのメンバーはユーモアや面白さを通して広範囲な(そして時には破壊的な)メッセージを伝えることに興味があるんだと思います。

How do you feel about the current relationship between art and technology (or open source and pop culture)?
テクノロジーとアートの(もしくは、オープンソースカルチャーとポップカルチャーの)関係性についてはどう思いますか?

I’m interested in the relationship of technology and art primarily because: 1) it is cheap, and 2) and it can reach a lot of people. F.A.T. has a yearly operating budget of $120 USD (which I spend on web hosting). From that we are able to reach an audience of over 20,000 people per month (and growing).

僕がアートとテクノロジーの関係性に興味がある理由は、第一に安価であるから、そして第二にそれによって非常に多くの人たちにメッセージを届けることができるからです。F.A.T.を運営するのにかかる費用はサーバ代の年間120ドルだけなのに、僕たちの活動は20000人以上のオーディエンスに届いているし、その規模は日々大きくなっているんですから。

Why is “rap music” used as a motif?
なぜ「ラップミュージック」がF.A.T.のモチーフとして使われているんですか?

Rap music is one of the original remix cultures which involved artists sharing (and stealing) content to build upon what came before them. Rap music historically has also been a means of inserting subversive content into main stream culture. Beyond that rap music also just makes all your youtube videos better.

ラップミュージックはリミックス文化の元祖の一つで、アーティスト達がコンテンツを共有し(盗み)、先人達の成果の上に作品を作ることを可能にしてきたからです。それに、ラップミュージックは、メインストリームカルチャーにある種破壊的なメッセージを紛れ込ませる手段として使われてきた歴史があります。あと、ラップミュージックはYouTubeに上げるビデオをかっこよくしてくれますしね。



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ワルキューレ [映画]

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トムクルーズ主演ののワルキューレという映画を、レンタルビデオで借りて見ました。トムクルーズは、サイエントロジーという新興宗教の信者で、これがドイツとぶつかっているというので、ドイツでは問題になった映画です。

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一応ジャッケとを格付けして《超1流》であったので借りたのです。

すでにこのブログでも書きましたが,最近、ヒットラーの経済政策の本を読んでいたので、ナチスに対して、また興味があったこともあります。

ヒットラーは、経済政策的には自給自足経済に回帰しようとし、そして権力的には、古い王権のような父権的な独裁体制に回帰しようとしたのです。

この独裁体制については、当然,この映画もそれを描いています。


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左が実物の将校シュタウフェンベルク大佐

 

ワルキューレ』は、2008アメリカ映画です。1944に起きたドイツ国防軍将校によるヒトラー暗殺計画ワルキューレ作戦と、その指揮を執った実在の将校シュタウフェンベルク大佐を描いています。


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 映画監督は、ブライアン・シンガー、彼はユダヤ人で、ホモのひとです。このことは本人がカムアウトして認めている事です。

シンガー監督のこだわりにより、撮影の多くは実際に事件の起こった現場・史跡においてロケを行い、登場する建物や車輌も極力当時の本物が使われているというのですが、それがかえってキッチュで説明的な表現になってしまっています。退屈で面白さが感じられないのです。


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この監督の顔写真を探して分析すると《第8次元 宗教領域》の人で、つまらないのも納得がいきます

 実際の反乱を起こした将校シュタウフェンベルク大佐というのは、なかなかの人物であるのは、顔を見ても分かります。

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想像界》の眼で《超次元》から《第6次元》の《真性の人格》
《象徴界》の眼で《超次元》から《第6次元》の《真性の人格》
《現実界》の眼で《超次元》から《第6次元》の《真性の人格》

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な人格
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な人格
《シリアス人間》《ハイアート的人間》

シニフィアン(記号表現)的人間。
『真実の人

 反乱そのものは失敗して処刑されるのですから、反乱の失敗は最初から分かっていたのです。

その最後の処刑シーンから描いて、遡行する映画にして欲しかったと思います。

そして将校シュタウフェンベルク大佐が、ヒットラーに疑問を抱いた、193811月の「水晶の夜」の惨事を描いて欲しかったと思いました。

将校シュタウフェンベルク大佐は、この反ユダヤ人暴動を見て、シュタウフェンベルクの道徳心と正義感に反するナチスの行為に、反感を抱くこととなったからです。

「大きな恥辱がドイツにもたらされた」と感じたのですから、ここを丁寧に描く必要があったのですが、映画にはそれが無かったのです。

  映画の芸術分析は下記の様なものです。

 

想像界》の眼で《超次元》〜《第41次元》の《真性の芸術》
《象徴界》の眼で《超次元》〜《第41次元》の《真性の芸術》
《現実界》の眼で《超次元》〜《第41次元》の《真性の芸術》

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な表現
 気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な表現

そしてシニフィエとシニフィアンの同時表示。
芸術と反芸術の同時表示。 
《シリアス・アート》と《気晴らしアート》の同時表示。
 
ここまでは高い評価なのだが、残念ながら、《ローアート》であって、
《ハイアート》性が無い。
さらにキッチュであって、純粋芸術性がないのです。
その事が持つ退屈さは、かなりのものでした。
でも最後まで見ました。

しかし、実在の将校シュタウフェンベルク大佐と、
それを演じたトムクルーズと、比較すると、その差は興味深いのです。

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トムクルーズ
想像界》の眼で《超次元》から《第6次元》の《真性の人格》  《超次元》から《第41次元》の《真性の人格》 
《象徴界》の眼で《超次元》から《第6次元》の《真性の人格》  《超次元》から《第41次元》の《真性の人格》 
《現実界》の眼で《超次元》から《第6次元》の《真性の人格》  《超次元》から《第41次元》の《真性の人格》 

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な人格  《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な人格
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な人格    気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な人格
《シリアス人間》                     《シリアス人間》と《気晴らし人間》の同時表示
《ハイアート的人間》                   《ハイアート的人間》と《ローアート的人間》の同時表示

シニフィアン(記号表現)的人間。             シニフィアンとシニフィエの同時表示の人格
『真実の人』                       『真実の人


トムクルーズの方が、人格的にはより複雑で、倒錯領域をも含んで、
上なのです。
現代の人間は、過去の近代人よりも人格的には進化しているという、
そう言う面も、トムクルーズからも伺えるのです。

そういうトムクルーズの頑張りにも関わらず、
映画が、すぐれたものでありながら、もう一つ傑出できなかったのは
残念でした。

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反乱を起こして処刑された将校シュタウフェンベルク大佐はしかし、
見事に、奥さんを逃亡させ、生き延びさせます。
奥さんはナチスを逃れて、生きて、死んだのはつい数年前なのです。
良かった! 

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記念写真/気体分子ギャラリー次回予告(校正1) [気体分子ギャラリー]

彦坂尚嘉hayamasoブログ.jpg

先日の1泊の越後妻有ツアーの記念写真です。
ハヤマ荘という和風旅館の前の駐車場です。
女性7人を連れて運転手をやった旅行なのです。

旅館で合流したのが、多摩美のデザイン科出身のイラストレーターの
丸山孝広さん(写真左)。
私の作品も見てもらって、一緒に飲めて楽しかったです。

写真後列右から、

斉藤ちさと(アーティスト)、今回の気体分子ギャラリーの作家でした。
今回は私の作品写真も撮影していただきました。感謝です。

長岡まき子、この人は四国のギャラリーARTEの守護霊のような怪人。
眼の良い人で、今回のツアーでも適切な批評を展開していました。

彦坂尚嘉、老いて汚い運転手のおじさん。

梅谷幾代さん、ギャラリーARTEのオーナーです。

後列の左端の女性が、志村みづえさん。草月流の華道家で、

食花を展開していて、私も美味しいものを何回もいただいています。

運転免許は持っておられるのですが、ペーパーのゴールデン免許。

以下、志村みずえさんの個人メールです。



彦坂尚嘉様

越後妻有トリエンナーレ・ツアーでは、お世話になりまして本当にありがとうございました。

お陰様で作品を沢山拝見出来まして幸せでした。

ご一緒した方々との交流もとても楽しかったです。


彦坂さんの作品は感性は若々しいけれども老成していて素敵でした。

作品の間から茄子畑が見えて…高尚な精神性と生活がくるくると循環するようで、何故か桂離宮の笑意軒を思い出しました。


最後の小原宏貴(小原流家元)さんのペインティング「側溝沿いの無限大(作品番号115)は神戸のアトリエでお一人で制作されたそうです。心意気の大きさに敬意をもちました。


私達がおんぶに抱っこで、お車の運転もお一人だったので、とてもお疲れになった事と思います。

お疲れはとれましたか?


また、ご一緒させて頂く機会を楽しみにしております。

展覧会・アートスタディ等お知らせ頂けましたら幸いです。まずはお礼まで。


志村みづえ


さて前列右からです。

日本画家の山本藍子さん。《第41次元》の作品を作っています。

ピンクの豚も展開していて、それも《第41次元》で、

魅力的です。


西脇妙子さん。2003年の越後妻有トリエンナーレで、

ボランティアの小蛇で手伝って下さって以来の7年越しのおつきあい。

芸術に対する感性の良い方です。


栃原比比奈さん。多摩美出身の油彩画家。

できやよい と同年齢の1977年生まれ。

知的障害者に絵を教える仕事をしていました。


作品が良い方で、私なんかよりは、はるかに巧い画家さんです。

初期学生時代の静物画はピカイチで、うなりました。

気体分子ギャラリーで初個展を準備中です。


作風は、できやよい、草間弥生に似ているので、

多摩美関係者からは黙殺されてきたようですが、

作品のクオリティと画格が高く、本格的な画家さんです。


同時にキャラクターグッヅの会社にも就職していた経験から、

イラスト絵画も描きます。

この両方を同位に並べて、一人2人展、

次回12月の気体分子ギャラリーで初個展=ミニ回顧展を開きます。


新作の小品油彩画も制作してもらいますので、

年末小品展をかねて、ご期待ください。


大作もあるので、汚く乱雑ではありますが、

私の藤沢のアトリエでの展示も考えています(未定)。






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2つの感謝状 [気体分子ギャラリー]

感謝1


栃原比比奈様

中川晋介様

金田圭史様

上岡誠二様


おかげさまで、

無事に斉藤ちさと展が終わりました。

無理なスケジュールでのホームページつくり、

ほんとうに感謝です。


立派なホームページになったお陰で

おかげさまで11点の作品が売れました。

総額が74万8000円でした。


この内、大作一点と、

ショップの小品1点は、私の購入です。


ブログを見て下さい。ホームページ上へのアップですが、

栃原さんができますか?


基本的には、出入り自由なアーティスト・ギャラリーの

形成を目指しているので、

経理は関係者には公開して行きます。


更新を含めたウエイブ構築の大変さも分かって来ているので、

今後の組織形態や仕組みを話し合いたいと思っています。


どうぞよろしくお願いいたします。



彦坂尚嘉

アトリエ:〒252-0813藤沢市亀井野3−23−11

電話:0466-21-8898

携帯090-1040-1445

自宅:〒248-0016神奈川県鎌倉市長谷4-11-2

http://blog.so-net.ne.jp/hikosaka/

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

感謝2


斉藤ちさと様

矢野まき様


おかげさまで、

無事に斉藤ちさと展が終わりました。

ほんとうに感謝です。


おかげさまで最終11点の作品が売れました。

総額が74万8000円でした。


ブログを見て下さい。


機械的な作品発送と、請求をして行きます。

作品には、気体分子ギャラリーとM7のシールを貼ります。

それと、彦坂尚嘉のパフォーマンス写真のある作品については、

その写真を絵葉書に出力して、一枚は額裏にはって、

後、2枚をコレクターに、斎藤さんと彦坂のサインを付けて

送ります。


彦坂尚嘉の芸術分析も付けます。

マットの変更希望のお客さんには、変更をします。


集金での問題がおきても、基本的には、機械的に処理して行きます。

それと矢野さんへのマージンは、

集金ごとに支払って行きます。

出来るだけ早くに処理したいと思いますので、

どうぞよろしくお願いいたします。


それとホームページ作りに協力してくださった方4人と、

矢野さんに、

斉藤ちさとさんの持っている試作の紙焼きで良いのですが、

サインを入れて、彦坂尚嘉の格付けを付けて、

二つ折りのボール紙に入れて、お礼で差し上げたいのですが、

いかがでしょうか。


私のドローイングも同様の体裁で、

お礼として送りたいと思います。


どうぞよろしくお願いいたします。




彦坂尚嘉

アトリエ:〒252-0813藤沢市亀井野3−23−11

電話:0466-21-8898

携帯090-1040-1445

自宅:〒248-0016神奈川県鎌倉市長谷4-11-2

http://blog.so-net.ne.jp/hikosaka/

 


 



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選挙革命(加筆追加1) [状況と歴史]

「選挙革命」民主大勝、

       韓国で大々的報道

 【ソウル=森千春】

韓国の有力新聞各紙は、31日、民主党の衆院選大勝を、

一面トップニュースとして報道した。


 特に中央日報は、中面7ページを衆院選の結果分析などに費やす

異例の大展開を見せた。

 各紙の一面は、「選挙革命」(朝鮮日報)、

「民心大地震」(東亜日報)などの見出しが躍り、

選挙結果は日本の歴史的な転換点と受け止めている。

 社説では、民主党主導政権が日韓関係に及ぼす影響に言及し、

中央日報が「歴史問題を超え、

新しい日韓関係を開く先頭に立ってくれることを期待する」と

エールを送るなど、おおむね好意的にとらえている。

(2009年8月31日11時02分  読売新聞)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
長い間
自由民主党政権の終わりを夢見て待っていた私には、
今回の選挙は、確かに革命なのです。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ポポさんから、次のようなコメントをいただいています。
彦坂様
初めまして。いつもblogを拝見させてもらっています。
以前から政治と芸術・美術の関係を漠然と考えていました。

そんな中、今回の評論の中に
>芸術は、決して政治や経済から自立はしていないのです。
の一文にすごく興味と衝撃を受けました。

自分の中では芸術は政治と自立し別の空間といいますか、
別次元で行われるべきものだと思っていました。

民主党政権が確実となりましたが、今一度この話題を深く掘り下げてもらえると嬉しく思います。


by ポポ (2009-08-30 22:21)  

芸術至上主義のイデオロギーにおいては、
芸術は政治や経済状況とは切り離されて独自に存在している事が、
自明に語られます。
しかしそれは単なる幻想=《想像界》であって、
実際の美術史=《現実界》/《象徴界》は、経済と政治の変化の中で、急速に変わって
行く事が観察されます。
日本が敗戦すれば美術は変わりますし、
1963年のキューバ危機では、アメリカの美術は大きく変わります。
1975年のアメリカのベトナム戦争敗戦で、芸術は激変しました。
したがって歴史的な変化と言われる今回の選挙革命で、
日本の1955年体制は完全に崩壊しますから、
日本の社会は激変し、美術史も劇的に変化します。
画廊の衰退や破綻が見られるようになるのは6年後の2015年が、
目安になるでしょう。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
さて、ボボさんからの宿題ですが、
民主党政権とは、どういうものなのか?

歴史を学んでいれば分かる事は、
「あらゆる革命は裏切る」ということです。
民主党は、人々の希望を裏切ります。
なぜなら希望というのは《想像界》であるからです。
それに対して政権と言う国家権力が作動するのは
《現実界》だからです。
《想像界》から《現実界》への転換には、
劇的なまでの亀裂があるのです。
つまり夢=想像と、現実=政治は違うのです。

かならず裏切られるという事を知っていないと、これから
の政治経済情勢を乗り切る事は出来ないのです。
そう言う意味で、今行われている議論には、
私はあまり意味を見いだしません。

本質的な重要な事は、古い権力が崩壊したという事です。
それは古い日本社会が崩壊したという事です。
古い社会とは何か?
それは明治維新以来の日本の産業化社会です。
これが完全に崩壊した。

日本の歴史的な転換点なのです。
この崩壊にこそ意味があるのであって、
民主党政権の意味について考えるのは、
次の激変の後に可能になるのです。
本質は情報化社会へ移行するという事です。
その選択をして行くという事です。

新しい国家権力が安定するまでには時間がかかるでしょう。
それと「あらゆる革命は裏切る」というテーゼからは、
だからこそ、いかに裏切るのか?
という積極的な面で、
この新しい民主党という権力の変節を見て行かないと、
状況を読み取る事は出来ません。

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