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金粉ショー:ゴールデンファイナンス/大駱駝艦の表現の差(改稿1) [アート論]



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ゴールデンファイナンスという金粉ショーについて、ユミさんから、コメントでリクエストをいただいていました。

これらが、超一流とかの次元ではないのは、それとして、
「派遣依頼募集」とされたサイトページの文章内容には、
すばらしく琴線が震えるものがありました。

よろしければ、芸術分析をお願い申し上げます。


新世界ゴールデンファイナンス 派遣依頼募集
http://www.shinsekai-xx.com/03_dy.html

水都大阪2009他、お寺での出演予定など。
http://www.shinsekai-xx.com/02_sc.html


昨年9月、コロンボ国立博物館(スリランカ)より東京国立博物館へ駆けつけた、観世音菩薩の画像です。
http://images.google.co.jp/imglanding?imgurl=http://img.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/aa/d8/srilanka_s_history_and_buddhism/folder/664077/img_664077_10163899_0%3F1212747961&imgrefurl=http://blogs.yahoo.co.jp/srilanka_s_history_and_buddhism/10163899.html&usg=__MhpR9lP8QPcOJTXtG_Hzwy5rDIk%3D&h=640&w=480&sz=290&hl=ja&tbnid=jckVekTtwR0cQM:&tbnh=137&tbnw=103&prev=/images%3Fq%3D%25E3%2582%25B3%25E3%2583%25AD%25E3%2583%25B3%25E3%2583%259C%25E5%259B%25BD%25E7%25AB%258B%25E5%258D%259A%25E7%2589%25A9%25E9%25A4%25A8%25E3%2580%2580%25E8%25A6%25B3%25E9%259F%25B3%26gbv%3D2%26hl%3Dja%26sa%3DG&q=%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%9C%E5%9B%BD%E7%AB%8B%E5%8D%9A%E7%89%A9%E9%A4%A8%E3%80%80%E8%A6%B3%E9%9F%B3&gbv=2&sa=G&start=0

by ユミ (2009-08-28 15:15)  



ゴールデンファイナンスというのは、大道芸と今日では分類されている
金粉ショーのグループです。
金色への反応は基本的なものではありますが、
同時に《第41次元》性という崇高領域に、
ユミさんは魅了されたのだと思います。

ただ、ユミさんの惹き付けられたゴールデンファイナンスの【YouTube画像】は、原始的で粗野なものへ還元する婆娑羅的なものなので、あまり評価できません。

金粉ショウは金粉を身体に塗りつけてダンスなどを行うパフォーマンス
のことです。

この金粉ショーが、社会的に知られるようになったのは、
1959年には、007シリーズで『Goldfinger 』が作られて、上映されたのですが、
これが金粉ショーを広めたと言えます

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金粉を身体に塗るというのは、歴史的には、インカ帝国の時代、宗教行事として行われたというのです。

日本人の金粉ショーで、最初に有名になったのは、吾妻京子というストリッパーで、金粉ショーで一世を風靡したようです。

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吾妻京子の芸術分析

《想像界》の眼で《第41次元》の《真性の芸術》
《象徴界》の眼で《第1次元》のデザイン的エンターテイメント
《現実界》の眼で《第41次元》の《真性の芸術》

《現実界》の表現
絶液体美術の表現

《シリアス・アート》
《ローアート》

【B級美術】

小説家の坂口安吾が、金粉ショーになる前の吾妻京子のストリップについて1950年8月号の『文芸春秋』に、「坂口巷談 ストリップ罵倒」書いています。

歌舞伎の名女形おやまといわれる人の色ッぽさは彼らが舞台で女になっているからだ。ところが、ホンモノの女優は、自分が女であるから舞台で女になることを忘れがちである。だから楽屋では色ッぽい女であるが、舞台では死んだ石の女でしかないようなのがタクサンいる。ストリップとても同じことで、舞台で停止した裸体の美はない。裸体の色気というものは芸の力によって表現される世界で、今のストリップは芸を忘れた裸体の見世物、グロと因果物の領域に甚しく通じやすい退屈な見世物である。
 いくらかでも踊りがうまいと、裸体もひきたつ。私が見た中ではヒロセ元美が踊りがよいので目立った。顔は美しくないが、色気はそういうものとは別である。裸体もそう美しくはないのだが、一番色ッぽさがこもっているのは芸の力だ。吾妻京子がその次。しかし、生の裸体にたよりすぎているから、まだダメである。舞台の上の女に誕生することを知らないと、せっかくの生の裸体の美しさも死んだものでしかない。
「坂口巷談 ストリップ罵倒」http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/43179_21391.html

この坂口安吾が言う芸を忘れた裸体の見世物、グロと因果物の領域に甚しく通じやすい退屈な見世物という指摘は、芸術全般に言える事で,《芸》という本質を忘れた退屈な見世物としての美術作品が、実に多いのです。
ところが、実はこの《芸》という本質を忘れた《退屈な見世物》を喝采して受け入れる風潮が、今日の世界をおおっているのです。

吾妻京子の金粉ショーは、坂口安吾の文章の後なので、1950年代の出来事と推定できるます。たぶん007よりも早いかもしれなですが、もしかすると007の影響で、吾妻京子の金粉ショーが始まったのかもしれません。そうすると、1959年以降の、1960年代前半と考えられます。


1960年代に、たぶんこの吾妻京子の影響もあって、土方巽の暗黒舞踏派唐十郎の状況劇場のメンバーが、キャバレー等でのアルバイトとして行ってと、彦坂尚嘉は推察します。

暗黒舞踏派から出て、唐十朗と一緒に状況劇場を結成した麿赤兒が、1972年に大駱駝艦を結成していますが、この大駱駝艦が、金粉ショーをやっています。

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麿赤兒は、1968年の新宿の状況劇場の『ジョンシルバー』を
見ています。
あの時の最終、テントが開け放たれ、空間が拡大し、
李礼仙を肩車した麿赤兒の威風は、見事なもので、眼に焼き付いています。

大駱駝艦は、ゴールデンファイナンスに比較すると、ずっと洗練されているので【YouTube画像】を付けますので、お時間が許せば見て下さい。
なお、この大駱駝艦の金粉ショーは、途中から女性ヌードが出てくるため、アダルト・ビデオとしての金粉AV扱いを受けている画像でもあるのです。特にひどい猥褻画像ではありませんが、不快に思う方は、頭の部分の男性の舞踏だけを見てください。


この大駱駝艦と、落ちるゴールデンファイナンス2つの金粉ショーの表現の差を、芸術分析してみたいと思います。
同じ金粉ショーでも、違いが、芸術的な差としてあるのです。
似て非なるものを見分けてかないと、芸術分析や、
趣味判断というのは、成立しないのです。



ゴールデンファイナンスの踊りは、かなりひどいもので、
これが《第6次元 自然領域》です。

それに対して大駱駝艦の舞踏はずっとましで、
踊りとしては《第1次元 社会的理性領域》です。

《第6次元 自然領域》というのには、抑制がないのです。
それに対して《第1次元 社会的理性領域》というのは、抑圧が
あって、訓練による抑制された動きがあるのです。

「芸術が分かる、分からない」という事の差は、
似ているものを比較して、その差を見分ける所にあります。

たとえば、コンビニで幕の内弁当を買っても、
それがセブンイレブンの幕の内弁当と、ミニストップの幕の内弁当では、
《第1次元 社会的理性領域》の味と、
《第6次元 自然領域》の味の差があって、
白いご飯だけの味でも、《1流》と《6流》の差がはっきりとあるのです。
この2つの味の差が分からない人は、鈍いと思って下さい。
こうした差を見分けられないと、「芸術が分かる」とは言えないのです。
まず、基本は、まともな割烹の日本食を食べて、
その味が《1流》であると覚える事です。
《1流》の味を覚えると、芸術の差の基本が見分けらる入り口に立ちます。
日本人ですから、白米の差を分かるようになって欲しいものです。

芸術の趣味判断の基礎は、味覚における差の見分けから、
歴史的に始まっているからです。
ですから基本は《6流》と《1流》の味の差を区分できるように
なる事です。
料理というのは《6流》の自然の味ではなくて、
《1流》の抑制された味を作る事を言います。

さて、ここでは金粉ショーという大道芸の表現の差の芸術分析を通して、
この似て非なるものの見分けを考えてみます。

まず、ゴールデンファイナンスの芸術分析です。

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ゴールデンファイナンスの芸術分析

《想像界》の眼で《第41次元》のデザイン的エンターテイメント
《象徴界》の眼で《第6次元 自然領域》のデザイン的エンターテイメント
《現実界》の眼で《第41次元》のデザイン的エンターテイメント

《想像界》の表現
絶対零度の表現

《気晴らしアート》
《ローアート》

【B級ショー】

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大駱駝艦の芸術分析

《想像界》の眼で《第41次元〜超次元》の《真性の芸術》
《象徴界》の眼で《第1次元〜第6次元》の《真性の芸術》
《現実界》の眼で《第41次元〜超次元》の《真性の芸術》

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な表現
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な表現

《シリアス・アート》と《気晴らしアート》の同時表示
《ハイアート》と《ローアート》の同時表示
芸術と反芸術の同時表示
キッチュと純粋芸術の同時表示

【A級ショー】

大駱駝艦の金粉ショーの欠点は、《象徴界》が、
従来の古さを持っていて、《第1次元〜第6次元》しか無いところに
あります。
ここを、《第41次元〜超次元》という倒錯領域を含む全領域に拡大
できれば、決定的に新しくなって、面白くなるのですが・・・・・

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