SSブログ

アバター(加筆1) [映画]

avatar-movie.jpg

まきなが『アバター』を見て来ました。
ジェームズ・キャメロン監督自らが開発した
フュージョン・カメラ・システムは、奥行きの深い3D映像を生み出し、
画期的な映画体験を味合わせてくれました。

2010年代の始まりを予告し、
そして村上隆のスーパーフラットの息の根を止めた、
モニュメンタルな3D映画です。

Avatar movie image (3).jpg

峯村敏明氏という美術評論家は、娯楽映画を見ない高尚主義者ですが、
それは間違いです。
1993年のスピルバーグの映画『ジェラッシクパーク』は素晴らしい
創造的な娯楽映画でした。
そして2001年に公開された『ロード・オブ・ザ・リング』もまた、
2000年代を表示する偉大な3部作でありました。
このジェームズ・キャメロン監督の『アバター』もまた、
2010年代を決定し、今後の3D映画を決定づけた映画史上の革新的
な作品なのです。
映画というものが3D化して、真に情報化社会の映画として生まれ変わった
のです。それはプラズマ化に成功した新しい時代の新しい映画メディアの
誕生を決定づけたものです。


これが『アバター』の舞台裏だ! 撮影風景がついに公開

今回、使われている技術は「エモーションキャプチャー」というものだそうで、俳優の体中にマーカーを付け、その動きをコンピュータに取り込み、それをベースにCG製のキャラクターを作り出す方法に「パフォーマンスキャプチャー」という技術があって、この技術を進化させたもので、体の動きだけでなく、人の表情までもを表現できる技術で、俳優の表情を、キャラクターで再現することが可能になった。こうして『アバター』で、演じている俳優とCGで作られたキャラクターの表情が連動するという画像が実現したのだそうです。
【以上の情報出典:これが『アバター』の舞台裏だ。http://news.livedoor.com/article/detail/4552191/

Avatar-movie-Wallpapers-793418.jpg

映画館での上映がそろそろ終わろうとしていますので、
見ておられない方は、必見の映画ですから、
ぜひ、3D英語版の上映館でご覧になることをお薦めします。

映画を見て驚かされるのは、宮崎駿の様々な映画の影響が見られる事です。
それは映像を超えて、原始の野蛮への回帰というイデオロギーまでおも、
宮崎駿の影響として強く打ち出されている事です。
ジェームズ・キャメロン監督自身が、宮崎駿へのオマージョを公言しています。
『もののけ姫』『風の谷のナウシカ』『ハルルの動く城』などが垣間見えます。
押井守の『甲殻機動隊』や『イノセント』の影響も見られます。

文明の中の野蛮への回帰の流れを増幅したイデオロギー性も、
この2010年代の時代の流れを予告したものと言えます。

avatar-movie-image-15.jpg



タグ:アバター
nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

《第1次元 社会的理性領域》 の倒錯/中川信夫の東海道四谷怪談 [映画]

40ce07c7a5c9d58487c147a51a16a890.jpg
image45.jpg
tokaido7.jpg
296c13eca5f3b6ac000d7de3842284a9.jpg
b5349424192d1c9012680028b7578d61.jpg
51BeJrPoq8L.jpg
img55852582.jpg

中川信夫の東海道四谷怪談は、
昔の新東宝のBクラス映画として、伝説的に評価の高い映画です。

私は、1968年に映画館で見ていますが、
心に残る名作でした。

改めて、『アートの格付け』をしてみると、
《第31次元》の映画でした。

《第31次元》というのは、《第1次元 社会的理性領域》の
反転領域です。


top.jpg
main.jpg

中川信夫の約90本もの映画の評価が高くなっています。
それは《第1次元 社会的理性領域》の映画の丁寧さが生み出す。
《愛》の問題です。
《第1次元 社会的理性領域》の表現は、
人々が深く愛するのです。

そして《第1次元 社会的理性領域》が、倒錯して反転すると、
中川信夫の評価の高い怪談映画の《第31次元》世界が出現します。

その数は、わずか8本、9本という意見もありましたが、
全作品の1割りなのです。

もしも見ていない方は、
ぜひ、《第31次元》の和製ホラーの名作を味わってみて下さい。

【続きはここをクリックして下さい】


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

ワルキューレ [映画]

valkyrie.jpg

 

トムクルーズ主演ののワルキューレという映画を、レンタルビデオで借りて見ました。トムクルーズは、サイエントロジーという新興宗教の信者で、これがドイツとぶつかっているというので、ドイツでは問題になった映画です。

750ee3bc.jpg

A5EFA5EBA5ADA5E5A1BCA5ECA1A1C9BD.jpg

 

一応ジャッケとを格付けして《超1流》であったので借りたのです。

すでにこのブログでも書きましたが,最近、ヒットラーの経済政策の本を読んでいたので、ナチスに対して、また興味があったこともあります。

ヒットラーは、経済政策的には自給自足経済に回帰しようとし、そして権力的には、古い王権のような父権的な独裁体制に回帰しようとしたのです。

この独裁体制については、当然,この映画もそれを描いています。


10949871.jpg
左が実物の将校シュタウフェンベルク大佐

 

ワルキューレ』は、2008アメリカ映画です。1944に起きたドイツ国防軍将校によるヒトラー暗殺計画ワルキューレ作戦と、その指揮を執った実在の将校シュタウフェンベルク大佐を描いています。


f0045511_497aa9987cd3b.jpg

 

 映画監督は、ブライアン・シンガー、彼はユダヤ人で、ホモのひとです。このことは本人がカムアウトして認めている事です。

シンガー監督のこだわりにより、撮影の多くは実際に事件の起こった現場・史跡においてロケを行い、登場する建物や車輌も極力当時の本物が使われているというのですが、それがかえってキッチュで説明的な表現になってしまっています。退屈で面白さが感じられないのです。


ALO-005704.jpg

 

この監督の顔写真を探して分析すると《第8次元 宗教領域》の人で、つまらないのも納得がいきます

 実際の反乱を起こした将校シュタウフェンベルク大佐というのは、なかなかの人物であるのは、顔を見ても分かります。

graf-von-stauffenberg.jpg

 


想像界》の眼で《超次元》から《第6次元》の《真性の人格》
《象徴界》の眼で《超次元》から《第6次元》の《真性の人格》
《現実界》の眼で《超次元》から《第6次元》の《真性の人格》

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な人格
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な人格
《シリアス人間》《ハイアート的人間》

シニフィアン(記号表現)的人間。
『真実の人

 反乱そのものは失敗して処刑されるのですから、反乱の失敗は最初から分かっていたのです。

その最後の処刑シーンから描いて、遡行する映画にして欲しかったと思います。

そして将校シュタウフェンベルク大佐が、ヒットラーに疑問を抱いた、193811月の「水晶の夜」の惨事を描いて欲しかったと思いました。

将校シュタウフェンベルク大佐は、この反ユダヤ人暴動を見て、シュタウフェンベルクの道徳心と正義感に反するナチスの行為に、反感を抱くこととなったからです。

「大きな恥辱がドイツにもたらされた」と感じたのですから、ここを丁寧に描く必要があったのですが、映画にはそれが無かったのです。

  映画の芸術分析は下記の様なものです。

 

想像界》の眼で《超次元》〜《第41次元》の《真性の芸術》
《象徴界》の眼で《超次元》〜《第41次元》の《真性の芸術》
《現実界》の眼で《超次元》〜《第41次元》の《真性の芸術》

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な表現
 気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な表現

そしてシニフィエとシニフィアンの同時表示。
芸術と反芸術の同時表示。 
《シリアス・アート》と《気晴らしアート》の同時表示。
 
ここまでは高い評価なのだが、残念ながら、《ローアート》であって、
《ハイアート》性が無い。
さらにキッチュであって、純粋芸術性がないのです。
その事が持つ退屈さは、かなりのものでした。
でも最後まで見ました。

しかし、実在の将校シュタウフェンベルク大佐と、
それを演じたトムクルーズと、比較すると、その差は興味深いのです。

Stauf1_DW_Vermischt_189719b.jpg

トムクルーズ
想像界》の眼で《超次元》から《第6次元》の《真性の人格》  《超次元》から《第41次元》の《真性の人格》 
《象徴界》の眼で《超次元》から《第6次元》の《真性の人格》  《超次元》から《第41次元》の《真性の人格》 
《現実界》の眼で《超次元》から《第6次元》の《真性の人格》  《超次元》から《第41次元》の《真性の人格》 

《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な人格  《想像界》《象徴界》《現実界》の3界をもつ重層的な人格
気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な人格    気体/液体/固体/絶対零度の4様態をもつ多層的な人格
《シリアス人間》                     《シリアス人間》と《気晴らし人間》の同時表示
《ハイアート的人間》                   《ハイアート的人間》と《ローアート的人間》の同時表示

シニフィアン(記号表現)的人間。             シニフィアンとシニフィエの同時表示の人格
『真実の人』                       『真実の人


トムクルーズの方が、人格的にはより複雑で、倒錯領域をも含んで、
上なのです。
現代の人間は、過去の近代人よりも人格的には進化しているという、
そう言う面も、トムクルーズからも伺えるのです。

そういうトムクルーズの頑張りにも関わらず、
映画が、すぐれたものでありながら、もう一つ傑出できなかったのは
残念でした。

img283ok8.jpg

反乱を起こして処刑された将校シュタウフェンベルク大佐はしかし、
見事に、奥さんを逃亡させ、生き延びさせます。
奥さんはナチスを逃れて、生きて、死んだのはつい数年前なのです。
良かった! 

nice!(3)  コメント(3)  トラックバック(1) 
共通テーマ:アート

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。