個人と個人の新しい出会いとつながり [告知]
彦坂 尚嘉 様
こんにちは。
一昨日はありがとうございました。
ギャラリーのバナーを作ってみましたので添付します。
バナーを作って公開しておくと、ページにメリハリがつくだけでなく、リンクを貼ってもらうときに使ってもらえるようになります。
栃原さんのデザインセンスは、なかなか良くて、
From: seiji.ueoka@gmail.com
Subject: Re: 手直しと更新のためのレクチャー
Date: 2009年8月1日 18:33:37:JST
To: hiko@ja2.so-net.ne.jp
彦坂さん。こんにちは。
上岡です。
斉藤ちさと論1、2と作品一覧、気泡と白いカラー(オランダカイウ)の部分を修正しておきましたので、ご確認下さい。
デザインは栃原さんがずいぶん頑張っていました。
打ち合わせ、来週は今のところ、月曜と金曜以外なら大丈夫です。
彦坂さんのアトリエで少し時間をかけて説明したいと考えています。
こうしたメールのやり取りからも分かるように、
気体分子ギャラリーは、多くの人の協力の中で立ち上がって来ています。
そしてこうした協力関係を、お互いの自由の中で築いて行く事を、
サントームだと考えます。
サントームというのは、切れて解体して行く情報化社会での人間の関係をつなぎ直す、
新たな第4の環です。
個人と個人の価値観の違いや、能力の違い、
意見の違いや、心情の違い、
年齢や、生まれの違い、さらには人種の違い、
こうした様々な違いを超えて、
人々をつなげて行く第4の関係性です。
気体分子ギャラリーでは、最終責任者としての彦坂尚嘉の《責任》はあるにしても、
彦坂尚嘉の一人の頭脳を超えたものを積極的に評価して行くという形での、協力を生み出そうとしています。
私自身は、《近代》個人主義の否定解体の運動を、実は早くから展開しています。1968年には「自己埋葬儀式」という集団パフォーマンスを銀座でやっています。1969年には美術か共闘会議(BIKYOTO)を結成しています。1972年には「五人組写真集編集委員会」、1973年には、柴田雅子氏とデュエット・シリーズをやっています。以後、性懲りも無く、執拗にこうした取り組みを繰り返して、《近代》個人主義を解体しようとして来ています。
哲学的には、中学2年生で、キルケゴールの『死に至る病』を読む所から始まっています。
その冒頭には、次のように書かれています。
人間とは何か?
人間とは精神である。
精神とは何であるのか?
自己自身との関係である。あるいは関係への関係である。
高校生の時には、故・松本英一郎先生の影響で、コリン・ウイルソンの『アウトサイダー』シリーズを6冊読んでいます。そしてフッサールを知って、フッサールを読む現象学研究会を、現代音楽家で、グループ音楽というグループで、フルクサスのメンバーであった刀根康尚氏と作って、『現象学の理念』から、晩年の『危機書』までを読んで行きます。
フッサールはこの展開の中で、デカルトのコギト「我れ思う故に我有り」の中から他者を構成しようとして、この《近代》個人主義の内部解体を、厳密に進めて行ったのです。
このフッサールの作業は非常に誠実なものであって、その《近代》個人主義の限界性の認識の先に、ジャック・ラカンの鏡像理論に出会うのです。ここでは自我は、単なる幻像であることが暴かれるのです。
私自身は、こうした思想的追跡の中で、現在の上岡誠二さんや栃原比比奈さん、中川晋介さん、金田圭史さん、木村静さん、矢野まきさん、と出会って、気体分子ギャラリーとそのサイトのアーキテクチャーを建設しようとしているのです。
気体分子ギャラリーが扱う作家は、わずか7人です。作家は専属契約で縛りはしませんので、出入りは自由です。
取り扱う作家が7人である理由は、人間の認識できる数が7が限界で、8になるとたくさんということになるからです。
彦坂尚嘉のやるアートマネージメントは、無理の無い、自然性を軸にしたものですが、細かいコミュニケーションの積み重ねですので、多数の取り扱い作家は無理なのです。
誰かが出て行けば、新しい人が一人入ってくるのです。出入り自由な非拘束的な7人までの取り扱い作家を売って行く活動です。
「去る者は追わず、来るものは拒まず」が原則の、自由な、そして小さな取り扱い作家7人の、ささやかなギャラリー活動です。
7年が目標で、この間、活動を展開できれば、何かが変わるでしょう。変わるだけのインパクトのある、そして脱ー領土化の運動を展開します。
その重要な主張は、《超1流》の《超次元》と《41流》の《第41次元》の美術の魅力を広める事です。この場合、《超次元》と《第41次元》は、裏表の倒錯関係にあります。
そして歴史上の名作名品でなくても、私たちの日常の中に、こうした《超次元》/《第41次元》の表現作品が存在して、適切な価格で買う事ができる事を示したいと思います。
さて、そう言うわけで、何を言いたかったかと言えば、こうした気体分子ギャラリーのために作って下さった栃原さんのバナーデザインを、丸ごと受け入れるという事です。
他者を丸ごと受け入れるというのは、ラカンの主張とも合う事です。ラカンは、フロイトを個人崇拝する事の重要性を主張しましたが、それは正しかったのです。
個人の利点も欠点も丸ごと含んで、肯定して付き合って行く事、それが重要です。
気体分子ギャラリーの事務を手伝って下さる方を募集しています。
資格、アーティストであること。
年齢制限はありません。
出来れば、私のアトリエに近くにお住まいの方で、
協力して下さる方はいないでしょうか。
気体分子ギャラリーは、
美術家と美術の好きな人々たちが協力して運営するネットギャラリーです。