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名品とは何か? ポストモダンの考察 [アート論]

名品とは何か? ポストモダンの考察

 

 1975年/1991年と2度の終焉をへて、《近代》という時代は完全に終わったのです。そのときに出現したのは、《芸術》《反芸術》というペアーで展開して来た大文字の芸術の終焉状況でした。

 驚くべき量の《無芸術》と《非芸術》が出現して来ます。しかもそれらは「芸術の名」において跋扈したのです。人々は熱狂して向かい入れて、しかし1980年代の美術作品の多くが淘汰されて消えました。特に《無芸術》という装飾や手芸、そして性的な官能性といった原始的な欲動を肯定した美術が、時間の中で飽きられて急速に消費されていったのです。しかし美術界の中での制度的名声を得たものは、美術市場での人気を得て評価を続けたものもあります。

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 アメリカ美術で見ると、1980年代で生き残ったのはシンディ・シャーマンと、ジェフ・クーンズ、そしてゴーバーと言われます。とりあえずこの俗論を仮定として受け入れると、この3人のアーティストに共通しているのは、《無芸術》《非芸術》《反芸術》《芸術》という、芸術の4分裂をすべて統合して同時表示して持っている事です。つまりポストモダンという情報化社会の中での名品というのは、こうした芸術の高度な統合という関係性を成立させるサントームを形成し得た作品なのです。

 芸術は、時代の中で分裂解体して《無芸術》《非芸術》《反芸術》《芸術》の4つに分かれたのですが、しかしその新たな統合化もまた形成していると言う事実を見損なうと、芸術のデザイン化や簡便化だけに眼を奪われることになります。エジプトに遡る古代芸術から、今日に至るまで、芸術は常に解体崩壊を繰り返しながらも、高度で複雑な統合性を実現するサントームの精神によって成立して来ているのです。

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アート・スタディーズ



『第16回アート・スタディーズ 』へのお誘いです。

11月2日(月)午後6時から京橋のINAX:GINZAです。


1980年代は、ニューウエイブ台頭の時代でした。これは

再度、1995年〜2008年の過剰消費の中で

繰り返されたのではないでしょうか。


              ディレクター・彦坂尚嘉


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レクチャー&シンポジウム

20世紀日本建築・美術の名品はどこにある?

第16回アート・スタディーズ 

1980年〜1989年「《想像界》の復活とニューウェーブの台頭」



ゲスト講師


【建築】テーマ ポストモダン建築の時代(仮題)


   

    講師  磯 達雄 (建築ライター)

        サブテーマ「磯崎新/つくばセンタービル−ラディカルな折衷主義」

        

    講師  浜田 由美(会社員) 

        サブテーマ「木島安史の時館『堂夢の世界』」


【美術】テーマ 《女性作家の台頭 佐々木薫/超少女たち》

           

    講師  松永 康(アート・コーディネーター)

        サブテーマ

        「佐々木薫と名品−共時的な視点から」

   

   講師

  

    三上 豊(和光大学教授)        

    サブテーマ 「雑誌感覚。『美術手帳』1986年8月号特集

          〈美術の超少女たち〉の編集をめぐって」


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『アート・スタディーズ』とは?

アート・スタディーズは多くの人の鑑賞に資する、歴史に記録

すべき《名品》を求め、20世紀日本の建築と美術を総括的、通

史的に検証、発掘する始めての試みです。先人が残してくれた

優れた芸術文化を、多くの世代の人々に楽しんで頂けるよう、

グローバルな新たな時代にふさわしい内容でレクチャー、討議いたします。

いたします。


◆ディレクター

彦坂尚嘉(美術家、日本ラカン協会会員、立教大学大学院特任教授)

◆プロデューサー

五十嵐太郎(建築史家、建築批評家、東北大学教授)

◆アドバイザー

建畠晢(美術批評家、国立国際美術館館長)

◆討議パネリスト

◇五十嵐太郎(建築史、建築批評、東北大学教授)

◇伊藤憲夫(元『美術手帖』編集長、多摩美術大学大学史編纂室長)

◇暮沢剛巳(文化批評、美術評論家)

◇新堀 学(建築家、NPO地域再創生プログラム副理事長)

◇橋本純(編集者)

◇藤原えりみ(美術ジャーナリスト)

◇南泰裕(建築家、国士舘大学准教授)

◆司会

彦坂尚嘉(アート・スタディーズ ディレクター)

◆年表作成

橘川英規(美術ドキュメンタリスト)

◆日時:2009年11月2日(月)

17:30開場、18:00開始、21:00終了、終了後懇親会(別会場)


(東京都中央区京橋3−6−18/地下鉄銀座線京橋駅2番出口徒歩2分)

(当日連絡先は 090-1212−4415 伊東)

◆定員:60名(申込み先着順)

◆参加費:500円(懇親会参加費は別途)


◆お申し込み・お問い合わせは

氏名、住所、所属、連絡先、予約人数を明記の上、下記e-mailアドレスへ

art_studies2004@yahoo.co.jp


詳細情報はこちら

 HYPERLINK "http://artstudy.exblog.jp/" http://artstudy.exblog.jp/


◆主催 アート・スタディーズ実行委員会

◆共催 リノベーション・スタディーズ委員会

     

◆後援 毎日新聞社

    日本建築学会

    日本美術情報センター



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☆「アート・スタディーズ」の詳細及びこれまでの情報

http://artstudy.exblog.jp/

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