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展示品にカビ [状況と歴史]


水と土の芸術祭:土製の展示品にカビ?−−


                                  新潟市美術館 /新潟

8月1日14時0分配信 毎日新聞

 ◇管理面で反省、収蔵品調査へ

 新潟市の「水と土の芸術祭」で、新潟市美術館(同市中央区、北川フラム館長)に展示中の土製の作品に、カビとみられるものが発生していることが分かった。市などでつくる実行委員会と作家らは31日、「今後、カビが発生する可能性は低い」として展示を続けることを決めたが、美術専門家は「水分を含んだ作品を美術館内に持ち込むのは非常識」と指摘。市では、展示収蔵する他の美術品に影響がないか、定期検査することにした。【黒田阿紗子】

 芸術祭は12月27日まで、13カ国のアーティストが制作した計71作品が市内各地に展示される。
 問題になったのは、左官職人でもある久住有生(なおき)さんの「土の一瞬」。わらと水を混ぜた土を塗った高さ2メートル、幅9メートル、厚さ60センチの土壁状の作品。館内で制作され、7月16日に完成。徐々に乾燥して壁面がひび割れていく過程も見どころだった。

 22日に同館職員が表面に白いカビのようなものを発見。翌日には最大で直径9ミリのものが20カ所以上確認された。職員が取り除いたが、その後も湿った部分や隣室の他の土製作品でも見つかった。展示室の湿度は日中、55%に保たれているが、空調を止めた夜間は梅雨の影響もあって約80%まで上がっていた。

 作品設置に立ち会った職員は「カビが生える可能性は予測できたが夜間は空調の要員を確保できず、外気を取り入れて換気する方法を取った」と説明。23日以降は空調を24時間稼働させ、業務用扇風機も使って除湿している。そのため、本来2カ月かかる乾燥が、31日の段階でほとんど終わったという。ただ、市が保健所にカビの検査を依頼したのは、29日になってからと対応が遅れた。同館はパブロ・ピカソなどの作品も展示しており、カビの発生が影響している可能性も残るため、今後はすべての展示室で定期的に空気のサンプル検査を行うことにした。

 実行委員長の篠田昭市長は「湿度への配慮が十分でなく、管理面で反省する点もあった。現在カビの発生は収まっているので、今後は適切な管理に努めたい」とコメント。

 作家の久住さんは「日本伝統の土壁による作品を国内の美術館が展示した前例はなく、市はすばらしい判断をした」と展示の意義を強調している。

 ◇常識では考えらず−−元府中市美術館長の本江邦夫・多摩美術大教授
 直接見ていないが水気のある作品を美術館内に展示すること自体、常識では考えられない。土はカビや雑菌が発生する可能性があり危険。新潟市美術館には名品が多いが飛散して腐敗につながりかねない。可能な限り現状保存するのが美術館の使命で、その根幹を揺るがす問題だ。

8月1日朝刊

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問題そのものは、基本的な事で、美術館という保存機能の場所では、この事件を起こした作品は無理なのです。美術館人である本江邦夫さんが言っている事が正論です。

美術館が持っている保守性には、それなりの根拠があって、
そのことと、表現の追求とは齟齬が起きるのは、止む終えない事なのです。

北川フラムさんらしいミスですが、
こういう常識を破る過激さが、北川フラムという天才アートディレクターを成立させて来たのです。
北川フラム氏も偉くなって来ているので、こうした美術制度の持つ規範を受け入れて行く事が、重要な課題になります。良い意味で大人になっていただきたく思います。

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