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ヒットラーの経済政策 [状況と歴史]

『ヒットラーの経済政策』という本を読んだ。
1929年の世界大恐慌の中で、
ヒットラーの経済政策だけが成功を収めて、
2年でドイツの経済は回復する。

その基本は、最下層の貧乏な人々に
お金を回すという政策だった。

アウトバーンという高速道路の建設でも、
最下層の労働者への賃金を最初に決めて、
予算が作られた。

しかしこういう政策の成功にも関わらず、
ヒットラーが破綻の道を歩んだ原因は、
トータルなヴィジョンが、後ろ向きであったことでした。

それはドイツ経済を自給自足の昔に戻そうとすることでした。
結果としてそれは高い事になり、
経済的に破綻していきます。

昔に戻す事はできないのです。

重要な事は、この事を知りながら、
昔に戻ることを語る事です。
なぜなら、文化や人間の生活というのは、
過去においてのみ、意味を構成できるからです。

過去把握をしながら、果敢に新しさに展開していく事、
この矛盾したやり方が重要だと、私は思います。

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コメント 5

ナカムラ

考えさせられました。ナチスも最初は民主社会主義、多くのインテリが政策を賛成しました。ドイツ経済を圧迫しているのがロスチャイルドであると考え始めたあたりから狂ってきたんでしょうか。
by ナカムラ (2009-07-20 16:16) 

M

はじめまして。
最近アーミッシュの取材番組を見ました。
70年代うまれの自分は、結構純粋に自給自足にあこがれがあったのですが、
さすがに番組を見て、本当に健全なのかどうかわからなくなりました。
欲望を縮小させていくのはどこか不健全なのでしょうか。
でも、現実に、人間が多すぎるのに、物質は枯渇していくようですし…。
アーミッシュのような生活の実験をもとに、
現代的な思考を取り入れたりできないのかなーなどと思いました。
by M (2009-07-20 16:35) 

ヒコ

M様
わたしもアーミッシュは好きです。そして自給自足というのは重要だと思います。しかし現実というのは違うことなのですね。人類の進化の動きに合わせていくことを考えないと、実際には間違えることになるのです。
by ヒコ (2009-07-24 11:18) 

ヒコ

ナカムラ様
お返事遅れてすみません。
狂ってくるのは、金の保有が減ってくる事が一番大きかった様です。自給自足を考えて、失った元の植民地を奪還しようとして侵略をします。ユダヤ人の虐殺も、こういう自給自足経済の追求の破綻の中からあ出てくるようで、私の若い時の印象とはずいぶんと違うものです。
by ヒコ (2009-07-25 07:17) 

ナカムラ

ヒコ様:ありがとうございました。自給自足がキーなんですね。金本位制で金の保有が減少することから・・・。でも、過去に戻るという選択肢だったんですね。ヒコ様のおっしゃっている意味がわかりました。
空襲したロンドン、占領したパリ、最初に攻撃したウィーンのどこにもロスチャイルド銀行があったので、金をじゅうじっていたロスチャイルドを標的にしたのかと思っていました。
by ナカムラ (2009-07-28 15:43) 

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