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山本藍子展 [気体分子ギャラリー]

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本日より、
マキイマサルファインアーツで、山本藍子個展です。


オープニングは、案内状には書いてありませんが、
明日の土曜日にします。
ご都合のつく方はお集まりください。

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昨日の木曜日に作品の展示に行って来ましたが、
良い展覧会になりました。

山本藍子さんの頑張りはすごくて、
前回の作品よりも、格段に作品内容をアップさせました。

お父様が抽象画を日本画で描いておられて方なので、
その辺もあって、
気体分子ギャラリーのオークションで売買出来そうな価格の作品が、
数多く出来ているという状態ではありませんが、
それでもお買い得な作品が、有る程度あります。

画像をアップさせながら、紹介して行きたいと思います。

正式な写真撮影は、すでにすませているのですが、
この所の私の私的公的な多忙さで、
まだアップすることが出来ません。
来週そうそうに間に合わせます。

タグ:山本藍子
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日本画出身の豚絵画/山本藍子個展(加筆2画像追加5) [気体分子ギャラリー]

Press Release


気体分子ギャラリー/彦坂尚嘉責任企画第4弾


『日本画出身の豚絵画
 /山本藍子新作個展+玄牝展』

 

    

       ピッギー・ペインティングと初期日本画回顧展


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このたび気体分子ギャラリーの彦坂尚嘉責任企画として

若手アーティスト山本藍子の個展を開催したします。


会場は2会場で、ひとつがマキイマサルファインアーツ

もうひとつが藤沢市の六会日大前にある気体分子ギャラリーです。


新作個展;2010年5月21日(金)〜6月01日(火)

                            マキイマサルファインアーツ

                      
    〒111- 0053 東京都台東区浅草橋1-7-7
 ☎03-3865-2211

初期日本画回顧展;2010年6月04日(金)〜6月29日(火)

                         気体分子ギャラリー

        〒252-0813神奈川県藤沢市亀井野3-23-11

        ☎0466-21--8898/090-1040-1141



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山本藍子の日本画は、豚の頭を描いています。

それは同時にレースを手描きで描いていくという花の絵でもあります。

花と毒の組み合わせが、新しい

日本絵画の地平を示しているのです。

たとえば新作の絵画は、

『豚さんの肖像(大阪の鶴橋商店街にて

購入した茹で豚)』という題名が示しているように、豚を描いた

絵画なのです。茹でた豚の頭のグロテスクさは、描き込まれた

レースで覆い隠されていて、不用意に見れば気がつかないもの

なのです。この豚という現実を直視しながら、しかもなお、

それをレースの美しさで覆い隠して描くというところに、

芸術というもののダブルバインド性が自覚的に展開されているのです。

つまり芸術というのは、事実を隠して、透かして見る事なのです。


茹で豚を買った「大阪の鶴橋商店街」というのは、在日朝鮮人の町として

有名なところで、しかも戦後のて土地財産の不法占拠が多発した地域です。


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しかし山本藍子に、豚を描く政治的なメッセージや意図があるのか?

というと、そういうものは、まったくないのです。

むしろ在日朝鮮人や部落解放運動といった現実を絵画で覆い隠していく

ものです。あくまでも政治ではなくて芸術であり、そしてリアルな現実

ではなくて、それを覆い隠す絵画の成立なのです。




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山本藍子を考える時に、重要なのは父親の山本直彰の存在です。

近代絵画が、純粋美術を追い求め、そしてそれは抽象絵画への道行きであったので、日本画の到達点もまた抽象画であったのです。山本藍子の父親である山本直彰は、抽象画を日本画で追求した異端児であり、日本画の極北を極めた画家でした。

 


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 山本直彰は1950年横浜市生まれ。1975年に愛知県立芸術大学大学院修了。創画会でデビューして、1992年には文化庁在外派遣研修生としてプラハ滞在しています。さらに2004年に練馬区立美術館で開かれた『超日本画宣言――それは、かつて日本画と呼ばれていた』に出品しています。さらに2009年には平塚市美術館で『山本直彰展 ―帰還する風景― 』を開催、そして2010年位は芸術選奨文部科学大臣賞を受賞しているのです。

 

 こうした抽象画家としての日本画家を父として生まれたのが山本藍子という日本画家なのでした。父の山本直彰が、近代日本画家であったのに対して、娘の山本藍子は、村上隆のポスト日本画を引き継ぐポスト村上隆世代の新人の日本画家なのです。

 山本直彰は、現代美術の画廊であるコバヤシ画廊でたびたび発表しているので、筆者も見て来ている同時代の作家でありました。つまり筆者にとっても、山本藍子は娘の世代の画家のデビューに立ち会っている事なのです。しかもこの山本直彰の娘の藍子には、父の異端性と反骨性を引き継いだ面白さがあって、私の興味をひくのです。

 例えば学生時代に描いた魚の絵があるのですが、それは海の中を泳いでいる魚の絵なのですが、その魚が干物なのです。干物が泳いでいる魚の絵というのは、どこか魚の図鑑のような若冲の絵画の系譜を感じさせるのですが、若冲の絵画が《第6次元 自然領域》でしかないのに対して、山本藍子の絵画は《第41次元 戦争領域》のまがまがしさがあるのです。つまり山本藍子には、絵画そのもののありように対する画家特有の批評性が見えるのです。

 それはショートケーキを描いた絵画や、パンツを丸出しにして座るヒロミックスのような自画像や、片岡珠子の面構えのパロディのようなおひな様の絵画にも言えます。

 絵画が絵画でありながら、絵画を批評し、そして絵画に毒を盛り込んだような日本画なのです。そして父親の山本直彰が、『超日本画宣言――それは、かつて日本画と呼ばれていた』に出品していたように、娘の山本藍子もまた、初期の膠と岩彩をつかった日本画から、アクリル絵の具を使ったポスト日本画へと移行して行きます。脱ー日本画は、新生の日本絵画への出発であると言えると思います。かつて加藤周一は、日本の絵画が、洋画と日本画に分裂していて、日本絵画が失われていると嘆きましたが、今日私たちが見ているのは、この分裂を克服して、統一としての日本絵画を描く新人たちの登場なのです。

 今回の彦坂尚嘉のプロデュースでは、初期の日本画を気体分子ギャラリーに展示することで、現在のプラズマ化して、世界先端の絵画シーンを目指す山本藍子のピッギーペインティングの芸術的根拠を示す試みをします。

 2010年代のアートシーンに重要な役割をするだろう新人日本絵画の新星を、応援して下さる事を、心からお願いする次第であります。


山本藍子

2004年  武蔵野美術大学日本画科卒業
2006年  ギャラリー繭蔵(青梅・東京)
2008年  第44回神奈川県美術展 美術奨学会賞受賞
2009年  Butsuzo展 (マキイマサルファインアーツ・東京)
    Shock The Pig  山本藍子+元木みゆき(「深川ラボ」)

    

 



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山本藍子 [気体分子ギャラリー]

日本画の豚絵画/山本藍子個展


Press Release



『日本画出身の豚絵画
   /山本藍子新作個展+玄牝展』

 

    

       ピッギー・ペインティングと初期日本画回顧展


このたび気体分子ギャラリーの彦坂尚嘉責任企画として

若手アーティスト山本藍子の個展を開催したします。


会場は2会場で、ひとつがマキイマサルファインアーツ

もうひとつが藤沢市の六会日大前にある気体分子ギャラリーです。


新 作 個  展;2010年5月21日(金)〜6月01日(火)

                            マキイマサルファインアーツ

                      
    〒111- 0053 東京都台東区浅草橋1-7-7
 ☎03-3865-2211

初期日本画回顧展;2010年6月04日(金)〜6月29日(火)

                         気体分子ギャラリー

        〒252-0813神奈川県藤沢市亀井野3-23-11

        ☎0466-21--8898/090-1040-1141


山本藍子の日本画は、豚の頭を描いています。

それは同時にレースを手描きで描いていくという花の絵でもあります。

花と毒の組み合わせが、新しい

日本絵画の地平を示しているのです。


たとえば新作の絵画は、

『豚さんの肖像(大阪の鶴橋商店街にて

購入した茹で豚)』という題名が示しているように、豚を描いた

絵画なのです。茹でた豚の頭のグロテスクさは、描き込まれた

レースで覆い隠されていて、不用意に見れば気がつかないもの

なのです。この豚という現実を直視しながら、しかもなお、

それをレースの美しさで覆い隠して描くというところに、

芸術というもののダブルバインド性が自覚的に展開されているのです。

つまり芸術というのは、事実を隠して、透かして見る事なのです。


茹で豚を買った「大阪の鶴橋商店街」というのは、在日朝鮮人の町として

有名なところで、しかも戦後のて土地財産の不法占拠が多発した地域です。

しかし山本藍子に、豚を描く政治的なメッセージや意図があるのか?

というと、そういうものは、まったくないのです。

むしろ在日朝鮮人や部落解放運動といった現実を絵画で覆い隠していく

ものです。あくまでも政治ではなくて芸術であり、そしてリアルな現実

ではなくて、それを覆い隠す絵画の成立なのです。



山本藍子を考える時に、重要なのは父親の山本直彰の存在です。近代という時代の絵画が、純粋美術を追い求め、そしてそれは抽象絵画への道行きであったとすれば、近代日本画の到達点もまた抽象画としての日本画であり、そして抽象画家としての日本画家であったのです。その一人が山本藍子の父親である日本画の異端児と言われた山本直彰だったのです。

 山本直彰は1950年横浜市生まれ。1975年に愛知県立芸術大学大学院修了。創画会でデビューして、1992年には文化庁在外派遣研修生としてプラハ滞在しています。さらに2004年に練馬区立美術館で開かれた『超日本画宣言――それは、かつて日本画と呼ばれていた』に出品しています。さらに2009年には平塚市美術館で『山本直彰展 ―帰還する風景― 』を開催、そして2010年位は芸術選奨文部科学大臣賞を受賞しているのです。

 こうした抽象画家としての日本画家を父として生まれたのが山本藍子という日本画家なのでした。父の山本直彰が、近代日本画家であったのに対して、娘の山本藍子は、村上隆のポスト日本画を引き継ぐポスト村上隆世代の新人の日本画家なのです。そしてこの娘の藍子には、父の異端性と反骨性を引き継いだ奇妙な面白さがあります。例えば学生時代に描いた魚の絵があるのですが、それは海の中を泳いでいる魚の絵なのですが、その魚が干物なのです。干物が泳いでいる魚の絵というのは、どこか魚の図鑑のような若冲の絵画の系譜を感じさせるのですが、それ以上に絵画そのもののありように対する画家特有の批評性なのです。それはショートケーキを描いた絵画や、パンツを丸出しにして座るヒロミックスのような自画像や、片岡珠子の面構えのパロディのようなおひな様の絵画にも言えます。絵画が絵画でありながら、絵画を批評し、そして絵画に毒を盛り込んだような日本画なのです。そして父親の山本直彰が、『超日本画宣言――それは、かつて日本画と呼ばれていた』に出品していたように、娘の山本藍子もまた、初期の膠と岩彩をつかった日本画から、アクリル絵の具を使ったポスト日本画へと移行してきています。

 今回の彦坂尚嘉のプロデュースでは、初期の日本画を気体分子ギャラリーに展示することで、現在のプラズマ化して、世界先端の絵画シーンを目指す山本藍子のピッギーペインティングの芸術的根拠を示す試みをします。2010年代のアートシーンに重要な役割をするだろう新人日本絵画の新星を応援して下さる事を、お願いする次第であります。

 


 

  
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2010年代のアートサントーム [気体分子ギャラリー]



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久しぶりに、ギャラリーarteの梅谷幾代さんとお話をして来ました。


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地元の人びとが、作品に対して違和感を持っていて、
それを調整するのはむずかしい事。
新しい事に興味を示しにくい事など、
閉鎖性を持っている様です。

島の人びとというのは、閉鎖性があって、
意識が狭いと言われています。

それは島国という日本に住む日本人にまといついている、
国際的な意識や社交性の希薄さなど、
そういうものそれ自身を見る事なのです。

つまり本島での取り組みというのは、
日本という国に住む自分自身を自覚化するアート活動と言えます。

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失われた古い日本が、骨董として生きている《島》です。

骨董の島!

若い学生の佐藤さんと彼のお兄さんにつきあってもらって、
島を軽トラックで、3周ほどしてもらいました。
狭いといっても広さはあって、軽トラでもないと、動けない場所です。

ここで何を出来るのか?

普通に考えれば何も出来ないでしょう。
それが最初の結論なのです。
この何も出来ないという結論から始めて何をなしうるのか?

本年4月ギャラリーARTEは、東京アートフェアに出店します。
彦坂尚嘉も本年も参加します。

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いろいろと考えさせられましたが、
日本という偏狭の島国にいる事を強く再認識させられる場所として、
下手に東京でギャラリーをやっているよりは、
面白い事ができるようにも思いました。

これからのギャラリー活動は2面性があると思うのです。
ひとつは、企画面での斬新な活動と情報発信です。
本島からは、のんびりとした海と
現代からの逃避としての古き日本を発信する。

もうひとつはネットギャラリーとして、
インターネットでの作品販売の追求です。
英語や中国語での発信が重要でしょう。
中国主導の美術市場への積極的な切り込みも必要です。

日本人は、芸術を現実逃避のものと考えているし、
また、芸術鑑賞と骨董の区別がつきません。
この辺のところを逆手にとって、
作品を押し出して行ければと、
思いました。

1990年代、2000年代が、村上隆/椹木野衣に代表される
日本自虐派のセルフオリエンタリズムであったとすれば、
2010年代は、経済破綻/政治破綻の中で、
自虐的なセルフオリエンタリズムをより激烈に押し進めて、
骨董と現実逃避の日本プラズマアートを生み出して行く。

現実逃避としてのアート
骨董としての芸術

つまり現実逃避としてのアートと、
骨董としての芸術を、意識的に構造化するという毒の形成です。
悪意に満ちた毒としてのアート、というのは、
実はアキライケダギャラリーのコンセプトであって1980年代のものです。
今日これをさらに前に押し進めるとすると、
プラズマアートの制作と販売ではないでしょうか。
プラズマ化の中では、奇妙な歴史の混合が、
より激しく可能になるのです。

私とギャラリーarteさんは、私のウッドペインティングの取り扱いは
外して契約をしているのですが、
むしろウッドペインティングや、皇居美術館関連の作品を、
彦坂的には《固体》と言っている様態の作品で、制作販売を
することを考えました。

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彦坂尚嘉 プラズマペインティング(餓鬼草紙) 2009から2010 

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彦坂尚嘉 プラズマペインティング(那智の瀧) 2009から2010

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彦坂尚嘉 プラズマペインティング(写楽) 2009から2010

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彦坂尚嘉 プラズマペインティング(葛飾北斎) 2009から2010

そしてまた、先日、「深川ラボ」で個展をしている松下和歌子さん
の作品を、ここで個展をしてみたいと思いました。

松下和歌子さんは、ほんの最近ですが、
藤沢にある気体分子ギャラリーの側に引っ越して来て、
ここを共同アトリエ化して使って制作を始めたのです。

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松下和歌子作品 気体分子ギャラリー所蔵

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松下和歌子作品

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松下和歌子作品

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松下和歌子作品 たわしの絵


他には山口俊郎さん、田嶋奈保子さん、栃原比比奈さん、
それに山本藍子さん、それに建築家の高橋堅さんなどが、
藤沢の気体分子ギャラリーのアトリエに
集まって来て下さっていて、作家の拠点として輪郭を持ち始めています。

気体分子ギャラリーは、
2010年代前半を、こういう推進力のある新人アーティストを中心に
アート活動とギャラリー活動をして行きたいと思っています。

そういう藤沢での彦坂尚嘉の活動と、
四国の本島のギャラリーARTEの梅谷幾代さんとを結び、
さらに白濱雅也さんの「深川ラボ」と連携し、
さらにもうひとつフリーアートの東京FATの 上岡誠二さんの、
4者が結びつく事で、2010年代の前半の5年間、実質3年間、
奇妙で捉えがたい活動を出来ればと考えています。

梅谷幾代さんも奇妙なアートディレクターです。
白濱雅也さんも不思議なアーティストであり、
アートディレクターです。
そして上岡誠二さんも、異色の芸術活動家です。
そして美共闘(BIKYOTO)の彦坂尚嘉という異様な作家の4人が、
実質3年をねらった一期5年の活動を結集を
させえるのかどうか?

さらにはアートフロントギャラリー、
そしてタマダプロジェクト、
鎌倉ドローイングギャラリー等々の連動も、
作動しています。

厳しい2010年代を、サントームの活動によって、
可能性に転化しることができるのか?

個性の強い、孤立した単独者たちをつなげるのが、
サントームなのです。

近代個人主義は古いのであって、
孤立した個人をつなげることで、
新しい生産の可能性を切り開くのが、
今日のサントームなのです。

普通で言えばできないことです。
しかし2010年代前半のこの経済の悪化した時期なら、
何かが可能かもしれません。
高品質で、フリーアートを含んだ低価格な活動が
できるかもしれません。

この活動の成否を握る推進力のエンジンは、
若いデビュー期のアーティストたちです。

2010年代前半の過酷な日本の経済状態の中で、
職業芸術活動家を目指す若手作家の参加を求めるしだいです。
気体分子ギャラリーは、新しい異質な作家の結びつきに、
可能性を見ています。

美術家だけでなくて、
新しい時代を切り開く意欲のあるのアートマネージャーを、
求めています。
あくまでもグローバルな展開を目指しますので、
英語の強い方の参加を求めます。



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「価格の自由」を追求するアート・リバタリアニズム(改題加筆) [気体分子ギャラリー]

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栃原比比奈展は、無事終了して、好評をいただいて、感謝しています。
これをバネに、2010年代の実力派新人アーティストとして、
デビューに専念させたいと思います。

作品の売上も32点ということで、その面でも成功と言えますが、
重要なことは、オークションシステムが作動して、
競りが、ささやかではありますが、エキサイティングに成立した事です。

競りに参加して下さったコレクターのみなさまに、
改めて深く感謝いたします。

初めてだったので、不手際が多かったのですが、
システム的な整備を進めたいと思います。
まずは、オークション専門の別のブログを用意するつもりです。

さて、ここで書きたいのは、実務よりも、
思想上の問題です。
気体分子ギャラリーでの競りの成立の意味は、
実は「表現の自由」「制作の自由」に関わる事なのです。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

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競りというのは、「価格の自由」の追求システムのひとつです。

「価格の自由」というのは、
それは「表現の自由」「創作の自由」「言論の自由」「批評の自由」
「学問の自由」「宣伝の自由」「報道の自由」「信教の自由」
そして「知る権利」等々と結びついた、
精神的自由権のひとつで、重要なものなのです。

芸術というのは、《精神的自由権》と深く結びついています。

この《精神的自由権》と、「価格の自由」は深く結びついている
のであり、
そして芸術というのは、この「価格の自由」を基盤としているのです。
それは芸術が高額になりうるとともに、
同時に《フリーアート》の成立の根拠なのです。
無料であっても、高度な芸術は存在するのです。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
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しかし従来の画廊は、この「価格の自由」を否定して来たのです。

美術品の価格、つまりプライマリープライスというものを、
画廊が設定して、しかもそれを複数の画廊が協定を結んで、
価格カルテルという、独占禁止法違反の方法で、
価格でのコレクター支配をしてきたのが、
従来の画廊だったのです。

価格カルテルこそが、日本の画廊活動の基本にあったのです。

それの代表が日本画のシステムでありました。
五都会という業者の閉じた交換会システムが、
日本画の高値を維持して来たのです。
それこそ東山魁夷の10号の絵画が、3億も5億もしたのは、
この価格カルテルによって成立していたのであって、
現在のようなオークションで、村上隆の作品が16億になったという
事とは違うのです。

画廊カルテルというのは、画廊間で価格や制作数量
販売地域などを協定することでです。
このような画廊カルテルが、今まで行われて来たのです。

それは古い日本画の世界だけではありません。
現代美術の中でもそれは行われていたのであって、複数の
画廊が連合して市場を成立させることは、
例えば佐谷画廊を中心とした数件の画廊が山田正亮の作品を
押し上げて行った例などに顕著でした。
佐谷画廊、ギャラリー米津と、もう一軒あったと思うのですが、
3軒が連合したのが大きかったという記憶があります。

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私が見ていた限りですが、山田正亮の作品は、10号大で、
180万円を超えたと思いますが、その後、経歴詐称事件や、
自分の作品の贋作事件などで、交換会での価格が15万円ほどに
下落して行きました。
現在がいくらかは、確認していません。

あくまでも私の記憶の主観判断ですが、
10号の作品を最高値で買ったコレクターは、
有に100万円を超える損失を被ったと思われます。

佐谷画廊が売った山田正亮の作品数は膨大であったと推定されます。
それは山田正亮が、毎日1枚のドローイングは描いていた人で、
ドローイングの数は膨大にあったことから、作品量が多いのです。
作品もストライプの絵画が中心で、簡単なものと言う面もあって、
作品量は多い人だと思います。
だから多くのコレクターが、経済的な損失を被って、
泣き寝入りになっています。

佐谷画廊の倒産が、何によったのかは具体的には知りませんが、
(クレーの買い付けの失敗と言う風評も聞いた覚えもありますが、)
山田正亮を巡る、コレクターの損失は、無視できない影響を
佐谷画廊の倒産に対して持っていたと思います。

もっとも佐谷画廊が、ほぼ30年で倒産した事と、
ギャラリー山口が、きっちり30年で死に至ったことは、
奇妙に符合します。
1979年に自殺した志水楠男さんの画廊活動も、ほぼ30年です。
1948年頃に数寄屋橋画廊に勤務して、1979年に亡くなられている。
画廊の寿命は、30年なのか?

日系ビジネスなどの経済雑誌を読んでいると、
企業の寿命は、普通は30年であると書かれています。

つまり画廊に限らず、企業活動の限界が30年なのであって、
それを超えて活動するのは、むずかしい事なのです。

閑話休題、山田正亮に戻ります。
山田正亮を売り出した頃、それは1970年代中期ですが、
しかもこの時期は、まだオークションが、今のように市場を支配
していない時期でしたので、佐谷画廊の責任は重大なものが
あったのです。

画廊と画廊が相談をして、作家の作品価格を固定させると言う
価格カルテルは、佐谷画廊のような昔の画廊だけの話では
無いのです。

今日でも画廊の常識として生きています。
実は、私の近くでも矢野まき さんがやっているM7が、
斉藤ちさとさんの作品の価格協定をもちかけて、
今年の正月に気体分子ギャラリーのアトリエにやって来ています。

私は相手にしませんでした。

斉藤ちさとの価格カルテルをM7を中心に作るなどということは、
矢野まき さんは、時代錯誤も良いところで、
馬鹿げている話です。

日本を代表するJALが破産し、トヨタが崩壊して行く時代に、
価格カルテルを作ろうとするなど、愚かな経営者です。
時代を読んでいないのです。

今日進行している事は、古い産業化社会の崩壊であり、
古い資本主義、古いビジネス主義の崩壊過程なのです。

それは同時に古いギャラリーシステムの崩壊期なのです。

M7の矢野まきさんは、私よりも若いくせに、
価格カルテルという古いギャラリーシステムに
依拠しようとしているのです。

だから最後のギャラリー山口にも、見にも来ない。
死者に哀悼の意を表せないひとは、
実は死者に呪われ、連れて行かれるんです。

何故にギャラリー山口が終わったのか、その原因と終焉を、
きちんと、ともらうこともできない人は、
先に進む事ができないのです。

もっとも人はそれぞれ多忙ですから、ギャラリー山口の最後の
1週間を見られなくても、仕方がない事は、しかたがないです。
私自身も、たくさんの不義理があるし、葬式に行き損なったミスは、
いくらもあります。
ですから矢野まきさんを責める資格は無いかもしれません。

しかし価格カルテルを私に持ちかけた事は、
矢野まきさんの意思であって、その古さは、吐き気がするものです。

新しいギャラリーを始めるという事は、
新しい販売システムを構築しなければならないのです。
それは同時に新しい作品制作システムと連動していなければなりません。


気体分子ギャラリーは、オークションシステムを取っているのであって、
それは価格カルテルを破壊する意思を、
彦坂尚嘉が持っている事を示しているからです。

書くと長くなりますからはしょりますが、
東京画廊/村松画廊が、彦坂尚嘉の価格カルテルを作った時にも、
抵抗して、
その闘いをするためにギャラリー手と、影で結びついて、
自らの価格カルテルを破壊して行った作家が、彦坂尚嘉だからです。

自らが滅びようとも、自由を疎外する価格カルテルは、
認めがたいのです。
私自身は、学生時代は黒ヘルメットを冠ったアナーキストであって、
自由の追求には、命をかけるのです。
命をかけて、自由を追求する。
こういう態度の中に、販売システムが登場するのです。

それが歴史的には、「売文社」の運動です。

売文社(ばいぶんしゃ、1910年12月31日 - 1919年3月)は、赤旗事件の刑期を終えて出獄した堺利彦が、大逆事件幸徳事件)後の「社会主義冬の時代」に生活費を稼ぎ、同時に、全国の社会主義者間の連絡を維持・確保するために設立した、代筆・文章代理を業とする団体。

大杉栄荒畑寒村高畠素之山川均橋浦時雄和田久太郎などが参加した。機関誌に『へちまの花』と、それを改題した『新社会』がある。(出典;ウイキペディア)


美共闘(BIKYOTO)は、この売文社の影響があって、美術作品や文章を売るという、販売にたいする商業主義の面は、最初からあったのです。だから彦坂尚嘉は、日本の洋画商の源流をさぐる調査をして『日本洋画商史』を書いているのです。


『芸術の意味』を書いたイギリスの美術評論家ハーバート・リードは、『アナキズムの哲学』(法政大学出版局) を書いていますが、翻訳が1968年に出て、学生時代に私もバリケードの中で読んでいます。「アナキズム」という言葉は、今日では古くなって、リバタリアニズムというべきなのですが、「価格の自由」、つまり自由経済を主張して行くという意味では、両者に共通はしているのですが、それでもリバタリアンといった方が、分かりやすいかもしれません。

彦坂尚嘉は、「言論の自由」「表現の自由」を追求するとともに、
「価格の自由」を追求してきているのであって、

気体分子ギャラリーは、プライマリー画廊でありながら、
古いギャラリー価格カルテルな動きを否定して、

コレクターが価格決定に参加する、開いたシステムとして、
今日のオークションシステムを取り入れたのです。
それは同時に、美術家の作品制作のシステムの変更に連動するところまで、追求される必要があるのです。。

今日のデフレ・スパイラルの中で、
低価格・高品質の美術作品を、オークションシステムを使って、
最終的な作品評価と、最終的な価格を、
コレクター主導にゆだねるのです。

コレクター主導にゆだねる事が、
このコレクターと言う他者を介して、
作家が自らの制作の根拠を、
《近代》の個人主義的な制作の外に連れ出し、
新しい制作システムを構築する場の形成になるのです。

父権的権威的な芸術ではなくて、
芸術の消費者に開かれたアート・リバタリアニズムを追求していきたいのです。それはフリーアートの探究を含む、広範性を持つものです。

アート・リバタリアニズムとしての芸術運動を展開したく思います。

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とは言っても、気体分子ギャラリーは、弱小資本で、少人数での活動ですし、不慣れな事が多くて、まだまだ、不手際が多くて、みなさんにご迷惑をおかけしています。

事務手続きに不慣れで。

メールでのご連絡等々、あまりに不完全でした。


すでにあるアマゾンのやり方などを手本にして、

次回からの改良をしようと反省しています。


昨晩から、作品の発送を開始して、

本日、そして明日で完了するつもりです。


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競り28・オークション終了/『お尻のような椅子』100,000円で落札 [気体分子ギャラリー]

オークション終了。

『お尻のような椅子』

最低入札価格 30000円から始めて

落札価格 100,000円でした。


Hiina Tochihara 1.jpg

『お尻のような椅子』

定価:300,000円

最高入札価格が100,000円

落札されました。

みなさま、長い競りでしたが、
ありがとうございました。

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競り27・継続/『お尻のような椅子』92,000- [気体分子ギャラリー]

入札がありました。

『お尻のような椅子』

最低入札価格 30000円から始めて

現在の最高入札価格 92,000円です。


Hiina Tochihara 1.jpg

『お尻のような椅子』

定価:300,000円

最高入札価格が92,000円

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競り26・継続/『お尻のような椅子』90,000- [気体分子ギャラリー]

入札がありました。

『お尻のような椅子』

最低入札価格 30000円から始めて

現在の最高入札価格 90,000円です。


Hiina Tochihara 1.jpg

『お尻のような椅子』

定価:300,000円

最高入札価格が90,000円

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競り25・継続/『お尻のような椅子』82,000- [気体分子ギャラリー]

入札がありました。

『お尻のような椅子』

最低入札価格 30000円から始めて

現在の最高入札価格 82,000円です。


Hiina Tochihara 1.jpg

『お尻のような椅子』

定価:300,000円

最高入札価格が82,000円

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