マッティ ブラウン/Matti Braun(ドイツ) [アート論]
モーターヘッドとメガデス [音楽の頂点]
5,モーターヘッド『オバーキル』
モーターヘッドは、アメリカ・イギリスのアングロサクソン軍が
ベトナム戦争に敗北した1975年に結成されたバンドです。
攻撃的でスピーディーなサウンドは、まるでグラインダーで神経を削る
ような《現実界》の音楽で、
後のスラッシュ・メタルの登場につながるものと言われています。
『オバーキル』という曲は、1979年ではありますが、
ベトナム戦争と無関係とは言えないもので、
《第16次元 崩壊領域》の音楽です。
《第16次元 崩壊領域》と《現実界》が音楽に出現する事は
ありますが、
それがバンドとして安定した不変性を持っているのは、
かなり珍しいもので、長年ファンを魅了し続けているのです。
しかしその音楽性は気体化はしていますが、
次のメガデスの様に、プラズマ化はしていなくて、
オーソドックスなロックンロールでありました。
メタル放送大学 1 /ブラックサバスとジューダスプリースト [音楽の頂点]
1、ブラックサバス『ブラック サバス』 1970年
私見を申し上げれば、このアルバムで初めてロックは、
《非-実体性》を持ち、《超1流》の芸術音楽として、
屹立したのです。
とは言っても、とは言っても、多くの人は、
下品な黒魔術の音楽と思っているよであります。
少なくとも初期のヘヴィメタルの名曲なのであります。
ベトナム戦争の激化を背景に、
時代は《近代》という理性の支配に抑圧されていた暗黒の無意識を、
隆起させるホラー的なるものに、新しい表現を見いだして行きます。
ブラックサバスというバンドは、その先駆けとなったのです。
美術で言えば、こういう流れが、後のシンディ・シャーマンの
暗黒的作品にまでつながるのです。