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コメントへのお返事 [状況と歴史]

川上直哉様

初めてコメントいたします。
「建築系ラジオ」で、彦坂様のお話に惹き込まれ、
ブログで、たくさん、新しい刺激をいただいています。

こちらこそ、建築系ラジオを聞いて下さり、
さらにこのブログを読んでいただいて、ありがとうございます。

感謝しつつ、今回は、二つ、お伺いしたいことがあります。

一つは、小沢一郎氏の人格分析がなされなかったことです。

前に、簡単な形ではしています。

小沢氏は、田中角栄の継承者でありながら、
田中派のような組織を作れずに今に至っています。
二人の間の継承と断絶は、あるいは、
「戦後」日本の空気の変化を示しているのかもしれません。
彦坂様のご意見を、伺いたく存じました。

良いご質問だと思いますが、
まず、田中角栄が、いかなる政治家であったのかが、
問題なのだろうと思います。

まったくの私見を申しあげれば、
田中角栄というのは、地方からの革命であったと思います。
戦後の高度成長経済は、1970年の大阪万国博でピークを迎えるわけですが、
この高度成長経済のお金は、大都会に集中していたのです。
そのお金を地方に収奪する権力を確立すべく台頭したのが、
田中角栄であったのではないでしょうか。

日本列島改造計画というのは、
日本の高度成長経済の延長性を含みながらも、
富を地方に還流させようと言う意味で、
地方の権力奪取の革命であったのです。

田中角栄の金権政治というのは、
中央のお金を地方に行こうさせる時に、
その見返りとして献金させると言う、バックマージン的なもので
あったのです。

つまり道路やトンネルを造る工事のお金を中央から持ってくる見返りに、
地方の土建屋から、バックマージンを返させたのです。


問題なのは、その結果としての新潟の改造が至りついた状態です。
越後妻有トリエンナーレの経験から言えば、
道路とトンネルができると、若い人々は都会に出て行ってしまい、
地方は衰弱したのです。

さて、この田中角栄の金権政治的な体質は、
実は民主党の政治家が引き継いで、自民党は引きつがなかったのです。
小沢一郎にしても、鳩山由紀夫首相にしても、
お金の問題が浮上してくる理由は、
いろいろあるにしても、田中角栄的な体質の系譜だからだろうと
思います。

もうひとつは、「野蛮」と「アルコール依存」の問題です。
「インディアンやエスキモーの人々がアルコール中毒になる」
「自然人はアルコールに対して、依存しやすい」
等といった表現は、
大切な問題を見えなくさせるように思われました。

大切な問題、というのは、
適応/不適応、という問題です。

「自然人」は、自然の中においては、
依存症になりにくいのではないか。
「人格」者は、「形骸」社会において、
アルコールその他に依存しやすいのではないか。

今、時代の節目にきている、ということを、
彦坂様の言説を刺激として、強く感じています。
「これまで」とは違う時代が来つつ、ある。
「これまで」に適応してきた大多数は、
次第に、追いつめられることでしょう。
そして、「これまで」に不適応であった人々が、
生き残っていく可能性を広げている。
ただ、「これまで」の世界において、
「不適応だった人」のもっていた創造的役割を、
私は、忘れないようにしたいと思っています。
だから、「自然人」の価値は、
10年後に、きっとはじめて、
今とは全く違う形で、輝いてくるかもしれない。
それはちょうど、今のネイティヴ・アメリカンのように・・・
(イメージは、AKIRAの『COTTON100%』です)。

そう考える私は、
「自然人=依存しやすい」という表現に、
鋭い引っかかりを覚えました。

長文となりましたこと、
論点がずれているかもしれないこと、
どうぞ、お赦しください。

それでは失礼します。

川上直哉 
by 川上直哉 (2010-01-24 06:42)  

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栃原未完








完売をした5000円の作品です。

これはメインのまじめな制作とは違っていて、
彦坂の責任でプロデュースして制作されたものです。
これらは意図的に〈形骸〉と最近言っている領域の作品として
制作されたものです。

k_kocky_02.jpg


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