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彦坂尚嘉の小さなドローイング展 [気体分子ギャラリー]

彦坂尚嘉のドローイングです。


日本が一億総中流の時代には、
中流の人々が、アートを買わなかったという思いが、
私にはあります。

そのせいもあって、中流に対する憎しみが、私の中にはあるのです。

それは、昔に国鉄があった頃の、国労という労働組合に対する
憎しみに似ています。
国労も、労働組合貴族で、かわいく無かったのです。

さて、そういう意味で、
現在の中流解体による、日本経済の墜落、
そして世界の中で最悪の赤字財政が到達するだろう破綻への道程は、
ひどい状況ですが、しかし一億総中流のあの生温い天国よりは
ましだという思いがあります。

上流のコレクター

中流が解体される事で、上流が生まれて来ていて、
上流階級の人々は、高いものしか買いません。

それに高いランクのギャラリーでしか、作品を買いません。

ですから、私も作品を高額になるように制作しなければなりません。

しかしギャラリーを失って来ている私の現在の苦境の中では、
アートフロントで売ってもらうのが、一番良いという状態です。

来年は、制作を頑張って、より良い状態へ努力したいと思います。

自分の世代のギャラリーが、コンピューター・リテラシーを
持ち得ないで、古い世界にしがみついている以上、
自分が主催する気体分子ギャラリーで、売れても売れなくても、
高額で展開しなければならないのです。

気体分子ギャラリーというのは、
《第6次元 自然領域》の凡庸主義の作品ではなくて、
《第41次元》と《超1流》作品を売っていことを目的にしています。
それは上流階級の人々に、
高い金額で、高いクオリティの作品を提供することを
目的にしているギャラリー活動なのです。

実際、《超次元〜第41次元》のすべてを持っていて、
しかも《非芸術》《無芸術》《芸術》《反芸術》のすべてを
持っている作品制作は、手間も時間も、材料費もかかるのです。
しかもフルコースのこうした作品は、売れないでしょう。
アトリエに残して、死後の販売の可能性にかけるしかありません。

コレクターというのは、結局自分の感性に合わせて作品を選ぶので、
フルコースは無理で、より軽いものを求めるのです。

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下流のコレクター

下層階級の貧乏な人々の中に、
アートを買うコレクターがいるのか?

常識的にいえば、貧乏人の中にコレクターはいないとは思います。

しかし歴史的には、江戸時代の浮世絵というのは鑑賞芸術であった
のですから、下層のアートコレクターというのが、
存在したのです。

下層の貧乏人の人々に、安物のアート作品をつくって売りたいという
思いが、昔からありました。
その辺で白濱万亀さんと付き合ってきたのですが、
なかなか巧く行きませんでした。

こういう事は無駄であるとも言えますが、
しかし私の中には、そういう下層への欲望があるのです。

というわけで、最下層の貧乏人の人々に向けて、
5000円、6000円の作品を作りました。
これでも高いとは言えますが、
これらは複製ではなくてオリジナルですし、
真面目に制作していますので、
購入する事に価値があるのか、無いのか、ご検討ください。

小さい作品です。
こうしたものはコレクターにしか、見えないのです。

私の方は売れても、売れなくても制作を続けて、
いろいろなところに出して行くという事をやらなければなりません。
それは過去の実例がそういう必要性を示しているからです。

全作品に、『アートの格付け』を付けます。
現在、「深川いっぷく」に並べているものが、
この『アートの格付け』のシールが間に合っていませんが、
付けますので、遅れをご了承ください。

貧乏人がアートコレクションをつくって、
貧乏人美術館を、無数に生み出すなどということは、
あり得ない事ですが、
しかしファンタジーとしては成立する事なのです。
そういう意味で、「夢想のプロジェクト」であります。



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