ヒットラーの経済政策 [状況と歴史]
『ヒットラーの経済政策』という本を読んだ。
1929年の世界大恐慌の中で、
ヒットラーの経済政策だけが成功を収めて、
2年でドイツの経済は回復する。
その基本は、最下層の貧乏な人々に
お金を回すという政策だった。
アウトバーンという高速道路の建設でも、
最下層の労働者への賃金を最初に決めて、
予算が作られた。
しかしこういう政策の成功にも関わらず、
ヒットラーが破綻の道を歩んだ原因は、
トータルなヴィジョンが、後ろ向きであったことでした。
それはドイツ経済を自給自足の昔に戻そうとすることでした。
結果としてそれは高い事になり、
経済的に破綻していきます。
昔に戻す事はできないのです。
重要な事は、この事を知りながら、
昔に戻ることを語る事です。
なぜなら、文化や人間の生活というのは、
過去においてのみ、意味を構成できるからです。
過去把握をしながら、果敢に新しさに展開していく事、
この矛盾したやり方が重要だと、私は思います。