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《第41次元》論/中川晋介のアニメー(改題2改稿2加筆3) [アート論]


上のアニメは、最初の作品です。
《第6次元 自然領域》のデザイん作品ですが、
中川晋介さんのアニメの良さを、よく現しています。

中川晋介さんは、武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科を
出ているのです。
このデザイん学科という出自は決定的なのです。

これを引き受ける所から、アーティストになるしかありません。
何故に、アーティストなるのか?

それはデザインの世界が過酷であるからではないですか?
デザインの競争世界で破れたから、アートに逃げ込んでくる。
しかしアートの世界は、もともと過酷な地獄の世界なのです。



中川晋介のアニメーション
《想像界》の眼で《第1次元〜第6次元》の《真性の芸術》
《象徴界》の眼で《第1次元〜第6次元》の《真性の芸術》
《現実界》の眼で《第1次元〜第6次元》の《真性の芸術》

《現実界》の表現
気体表現

《シリアス・アート》《ハイアート》

《非芸術》

シニフィアン(記号表現)とシニフィエ(記号内容)の同時表示

《原始映画》『オプティカル・イリュージョン』【A級映画】
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中川晋介さんのアニメーションは、
面白いとは思います。

まず、『アートの格付け』としては《第1次元》〜《第6次元》がある。
作品によると《超次元》まであるものもあります。

《第6次元 自然領域》だけが増殖している日本の中で、
中川晋介の作品レベルは高いのです。
ですから評価はします。

《真性の芸術》性はありますが、
しかし全体で見ると《非芸術》です。
つまりデザインと見える様な領域の作品で、
にもかかわらず、《真性の芸術》はあるのです。

つまり《非芸術》であるというところに、
中川晋介さんの本質があると思います。

ですから封筒の作品とか、
カレンダーの作品が、面白く見えるのです。

それに対して絵画の作品が、弱いです。
絵画というのは高額なものですから、競争も激しいのです。
いままで見せいてもらったものから言えば、
絵画市場に参入できる質は持っていないように見えます。

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欠点を言えば、
《第7次元》〜《第41次元》という倒錯領域
が無い事です。

同様に《芸術》《反芸術》《無芸術》性がありません。

この《非芸術》の《第41次元》性について、
考える事で、中川晋介さんの作品の本質的な性格を
明らかにしようと思います。

つまり現在の中川晋介さんは、《第41次元》性は無いのですが,
もしも《第41次元》性を入れたとしても、
中川晋介さんの本質が《非芸術》性にあると、
《非芸術》の《第41次元》というのは、
次の様になるのです。

s_15moo9dy.jpg




10322-090712.jpg

06.jpg

《非芸術》の《第41次元》髑髏

上に掲載した、かわいらしいイラストが、
《非芸術》における《第41次元》の画像なのであって、
《第41次元》以上に、《非芸術》とは何かを、
よく現しています。

《非芸術》というのは自然を含む広義な意味でのデザイン領域です。
デザインというのは、ある意味で、人生において浅いというか、
深入りをしないのです。
社会の大半はこの《非芸術》領域で出来ていると言えます。
さらっと、一番浅い領域で流す世界です。

中川晋介さんは、人間の本質と言うか、人格的にこの《非芸術》の
領域に生きているように、私には見えます。
このことをプラスに作品を考えた方が良いのです。


ただ私の理想とする今日の表現性としては、
こういう《非芸術》を選択することが、
自分の作品としては出来ないのです。


物事の判断というのは人によって違っていて、
なにを良しとするかで、
人さまざまなのです。
彦坂尚嘉が見たい作品は、もう少し危ないものなのです。
あるいは狂気のあるものです。
そこで《芸術》としての《第41次元》のものを、
オットー・ディックスの作品から、選んでみます。

《芸術》骸骨1.jpg

《芸術》骸骨2.jpg



otto.jpg
《芸術》の《第41次元》髑髏


《芸術》で、《第41次元》というと、
このオットー・ディックスのようになるのです。

《芸術》と《非芸術》が、《第41次元》の表現で、これほどの差が
あるのです。
二つを並べて見ます。

《非芸術》《芸術》.jpg
《非芸術》           《芸術》

《芸術》というのは、濃厚であるという傾向はあると思います。
それに対して《非芸術》という領域は、浅く、薄いのです。

中川晋介さんのアニメにしろ、絵画にしろ、
スタイルは《非芸術》的であります。

8割りの人々は《非芸術》の世界に生きているし、
そして《非芸術》の人格を持って生きているのです。

普通の人々が、簡単で弱い表現を好むのは、
心底の人格的なもんだいなのです。
人格が浅く簡単なのです。

それに対して《芸術》は、複雑で濃厚で、重く、
そしておぞましいのです。
《芸術》とは嫌なものなのです。

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さて、まだ《反芸術》と《無芸術》があります。

ホラーや、骸骨の画像で、《反芸術》を探すと、
次のようなサンプルになります。

EmilyRose1.jpg

mall-of-horror-cover-art.jpg


骸骨《反芸術》.jpg
《反芸術》の《第41次元》髑髏

《反芸術》というのは、反抗するとか、反対するとか、そういう
反撃の攻撃性がありますね。

さらに《無芸術》の髑髏をお見せしましょう。
《無芸術》というのは、すでに別のブログで書いているように、
装飾とか手芸、性的な表現と言った官能性のある表現を肯定的に
作っているものです。そうした官能性に対する肯定が《無芸術》という
芸術領域です。

Megadeth-RustInPeace.jpg


骸骨《無芸術》.jpg

ee.jpg
《無芸術》の《第41次元》髑髏


さてそこで、《無芸術》と《反芸術》の差を見てみましょう。


eeのコピー.jpg
《反芸術》       《無芸術》

《反芸術》というのは、攻撃性があるのですね。
それに対して《無芸術》というのは、装飾性があり、性的官能性があるのです。

次は、4つすべてを見てみましょう。

《非芸術》《芸術》.jpg
eeのコピー.jpg

《非芸術》《芸術》
《反芸術》《無芸術》

こう見ると分かるように、《非芸術》という領域は、
あっさりしているのです。
中川晋介さんの、特に絵画作品が、あっさりしているのは、
それは技術というものではなくて、領域の問題なのです。


いや、いや、静かで平凡に見えるものでも良いのですが、
《芸術》の構造というのは
かなり濃密なものなのです。

中川晋介さん自身は、何かの内側で作っているように見えます。
外に溢れ出すことに情熱をかけていないように見えます。
それは《非芸術》の領域で生きておられるからです。

それを変える事はできないので、
《非芸術》として自覚した作品を作る事が良いのです。

ですから絵画をどうしても書きたければ、
文字の入った手書きのポスターの様な作品が向いています。
そうすれば勝てるかもしれません。
しかし、そうしたデザインに見える絵画を、
中川晋介さんは描けないでしょうね。

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f0185280_1457956.jpg

中川晋介さんの個展が始まりました。

搬入の様子を見て来ました。

さらにオープンにも言って来ました。

 

作品は今までに作ったアニメーションを中心にした作品です。

映像を写す事の新しさと、強さがあります。

封筒と、カレンダー作品が、

数点売れています。

美しいし、安いので、買いやすいと思います。

ぜひ、買って上げて下さい。

 

実は気体分子ギャラリーでの開催を、

ご本人は望んでいたのだけれども、

私が同意できなかったのです。

それは作品が悪いからではなくて、

倒錯領域を含んでいないからです。

 

《超次元》〜《第6次元》、

あるいは《第1次元》から《第6次元》という

作品を作られていて、

それは立派だと思うのですが、

情報化社会の作品は、倒錯領域の《第7次元》〜《第41次元》という

世界を持っていないと、それらしく無いと思うのです。

彦坂尚嘉が《第41次元》というブログをやっているように、

気体分子ギャラリーというのは、《第41次元》性を含んだ作家を

取り上げて行きたいのです。

 

繰り返しますが、

だからと言って、中川晋介さんの作品が、

すぐれていないのではないのです。

すぐれているのです。

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行き違いがあって、

白濱雅也さんはこの展覧会を気体分子ギャラリーの企画だと

思い込んで、案内状にそう印刷してしまったので、

それは否定して、シールをはってもらうようにしました。


 

気体分子ギャラリーのポリシーというものを明確にして行かないと、

ブランド化は出来ないのです。

白濱雅也さんの思い込みは理解できますが、

確認のメールもいただいていないし、

申し訳ないですが、同意できなかったのです。

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New Test Tube #1

中川晋介展 Tin Bird


1024日(土)〜11月8日(日) 月火休 祝日オープン

13:00〜20:00


初日18:00〜オープニングパーティー


アニメーション作家中川晋介のTinBirdは優れたCG背景画家でもある中川がなし得た短編アニメーションの佳作です。シュバンクマイエルに代表されるアートアニメーションとセルアニメーションの境界線上に位置するTinbird、不思議な生物が羽化していくソラマイなどを含めた短編アニメーションの上映とあわせ、アニメーションを素材とした絵画作品、絵コンテなどを展示します。グッズ類などデザイン的展開をする中でも中川は非凡な力を発揮しています。

ファンタジックながら安易な結末を約束しない中川の世界をぜひお楽しみください。

(ディレクター 白濱雅也)


アニメーション作品上映

アニメーション制作絵コンテ

アニメーションキャラクターを素材とした絵画作品やグッズ類

http://nakahige.jp/index.html


http://mmfalabo.exblog.jp/

お問い合わせ

fukagawalabo@gmail.com


About New test Tube

New Test Tube は若手や展歴の浅い作家の意欲的な作品をラボのスペースとディレクションとのコラボで見せていく企画シリーズです。原石のような作家たちのチャレンジを応援してください。

 

 

 


タグ:中川晋介
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コメント 2

中川晋介

彦坂様

 長文を書いていただいて、誠に有難うございました。今読んだばかりですが、「非芸術」について、海での体験についてを踏まえながら何度も読み返させていただきます。

 また、搬入日と初日来ていただいて誠に有難うございました。精神的に非常に助かっていました。

今後ともよろしくお願い致します。
by 中川晋介 (2009-10-26 21:38) 

ヒコ

中川晋介様
良い個展だと思いました。
頑張って下さい。
by ヒコ (2009-10-27 02:34) 

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