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木山光の音楽(校正1) [音楽の頂点]


木山光の音楽に対する彦坂尚嘉の《言語判定法》による芸術分析

《想像界》の耳で《第16次元》のデザイン的エンターテイメント。
《象徴界》の耳で《第16次元》のデザイン的エンターテイメント。
《現実界》の耳で《第16次元》のデザイン的エンターテイメント。

《現実界》の音楽、ただし《想像界》《象徴界》が無い。
絶対零度(=原始時代の野蛮)の音楽。

《気晴らしアートの音楽》《ローアートの音楽》

シニフィアン(記号表現)の音楽、シニフィエ(記号内容)がない。
【B級音楽】

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
木山 光(きやま ひかり)は、1983年生まれの、日本現代音楽作曲家

木山光の音楽は、《気晴らしアート》ですから、
面白いのは、面白いのですが、
《第16次元》のデザイン的エンターテイメントに過ぎません。

いや、芸術ではなくてデザイン的エンターテイメントだからこそ、
聴きやすいとは言えます。

《第16次元》というのは、崩壊領域です。

崩壊という事象は、実は人を引きつけるのです。
ジャック・ラカンの言う《対象a》であって、
喪失した空洞性が、人間を引きつけるのです。
廃墟趣味というのは、一種の崩壊領域です。

《第16次元》の音楽として私の知っているのは2つあって、
一つがパンク・ニューウエイブの最後の時期に出てきた
ポップグループです。


もう一つはモターヘッドというハードロックです。

これら崩壊領域の音楽の登場は、
1975年にアメリカ/イギリスが、ベトナム戦争に敗れて《近代》という
時代が終わってしまった事と、深く結びついています。

どちらにしろ、
木山光の音楽は、崩壊領域の音楽ですが、
それだけでなくて絶対零度の音楽、つまり原始時代の野蛮音楽です。

文化的にはこの流れは、
私の知る限りは、岡本太郎の絵画『重工業』に一番早く見えます。
戦前には、まだ発見していません。

日本の被爆と廃墟化に深く連動して生まれた文化構造です。
同様の事は、具体美術協会の、廃墟を美しいとする具体宣言にも
見られる考え方です。

もう一つ1970年の『人間と物質のあいだ』という美術展を、
東京ビエンナーレとして組織した中原佑介の志向にも見られます。
中原は神戸で、焼夷弾攻撃で、隣のおばさんが、真っ黒の焼けこげたのを
見ていて、人間は物質だと思ったという話を、
私にしています。

歴史的には『ばさら』と言われる、
原始的な野蛮主義への回帰の運動で、
室町時代に出現していると言われる表現構造です。
このことは、現在アップされているアートスケープの最後の章に
書きましたので、ご参考にして下さい。

もう一曲木山光の【YouTube画像】を付けましたので、
下記をクリックして下さい。

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コメント 4

symplexus

寸分の隙間もなく埋め尽くされた音,音,・・
醜いことを意図とする絶叫が抑制なく開放されます.
 オール・オーバーと言えば聞こえは良いのですが,
錯乱は平板で解放の希求が感じられませんでした.
彦坂氏の第16次元,デザイン的エンターテイメント,
 ローアート,B級音楽の評価に救われます.
木山氏本人はひたすら現在という現実を生きているのでしょう.
闇の空白は宴の後の虚脱では有っても
 象徴の深遠ではないのですから.
だから20代の若者をそのまま全力で走っているのだと言われれば
 僕には返す言葉は有りません.
でも,クラシック音楽作曲というのは何処へ行こうとしているのでしょうか.
ヨーロッパの,それもドイツ,オランダ作曲界での高い評価を聴きます.
 錯乱した土俗日本への侮蔑を込めた奇異への賞賛だとすれば,
”この手はもういいかげんにして欲しい”と叫びたくなります.
by symplexus (2009-08-25 16:01) 

ローズ

 先日の、「会社は頭から腐る」の記事にて彦坂さんがコメントされた
「芸術が<近代>特有の問題であった」という言葉に、
 深く同感いたしておりました。
 
 今回の記事のようなものを創らないと評価されなかったり、注目されなかったりするのであれば、現代というのは、芸術家、表現者にとって、ほんとに生きづらい社会であると思います。
 音楽は特に、「普通に美しいもの」は、もうすでにたくさんあるので、難しいのかもしれません。

 19世紀〜20世紀前半の芸術家たちはいいですね。
 楽器などのツールの形態もその時期には完成されており、
 メソッドも確立されつつあり(されつつあるというのがいいです)、
 適度に交通も発達し、産業も発達しつつあり、
 博愛や自由や平等などの理想にも燃えることができたのですから。

 うらやましいなあ、と思うことがあります。


 
by ローズ (2009-08-25 21:25) 

通りすがり

こんな演奏をしていると演奏家は、耳が「機能的に」壊れると思う。
by 通りすがり (2009-12-29 17:19) 

ヒコ

symplexus 様
コメントありがとうございます。
美術でも《第16次元 崩壊領域》の作家はいます。今人気の塩田千春は《第16次元》です。古くは松本陽子の絵画が《第16次元》です。

ローズ様
ニーチェが言ったニヒリズムを前提に固定化してしまうと、問題が生じるのです。ニーチェのニヒリズムの時代と言うのは、実は終わってしまって、」今はマネージメントのサントームの時代なので、実は違う表現が可能なのです。

通りすがり様
コメントありがとうございます。

by ヒコ (2009-12-30 17:09) 

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