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作品画像/明けわたシ(ギャラリーARTE)(加筆画像追加1) [作品と展示]

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ギャラリーARTEの梅谷幾代さん

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彦坂の現代音楽鑑賞の先生:柏原孝昭さん

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展覧会は、予想以上に3人の作品が、
《超次元》性があるせいか、良く似ていて、面白い展示になりました。
その面白さは写真では写らない面白さでした。
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【作品解説】 「トマトアート/3枚のガラス

ガラスをキャンバスの画布ように絵画の支持体に使ったので有名な作品は、デュシャンの「大ガラス」です。この彦坂尚嘉の「3枚のガラス」は、ガラスを使うところだけを引き継いで、ガラスに発泡スチロールのトマトの模型を貼り付けた作品。赤いトマトの模型という実態的でデザイン的なものを使いながら、彦坂が考える芸術の特性である《非実体性》と《退化性》を実現させています。この赤い玉は、実は日の丸の作品から始まりました。戦後に日の丸を連想させる作品が氾濫して、それを藤枝輝雄さんが批判したのです。日の丸絵画が批判です。そこで彦坂尚嘉は、日の丸アートで、なんとかして非実体性と《退化性》性を付ける方法を考えて、日の丸を模した円グラフの作品を作っています。そう言う問題意識から、それがトマトアートに展開したのです。
なお、ガラスという透明な面を使うと言うのは、1969年の初期作品であった木枠に透明ビニールを張った作品への回帰性を示す新作と言えます。[フリーアート]
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大木裕之さん

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「トマトと茄子のアート/天井の音楽

天井に茄子とトマトの模型を貼り付けた作品。ここでも芸術の特性としての非実体性と、退化性の実現が追及されている。ポップであるが、難解で晦渋な作品と、言えるかもしれません。
 昨年の「こんぴらアート2008」で、虎丸旅館の和風天井の木目の上に制作されたものが、最初でした。2009年には東京深川の商店街のアートフェアで、中華料理店の天井にも、同様のインスタレーションが行われて、今回のギャラリーARTEの天井は3作目です。
[フリーアート]

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「トマトと茄子のレリーフ絵画」

初期作品のラテックスを自宅の床に流した作品を髣髴とさせるような絵具を流した作品。画面に貼りつけられた茄子とトマトは陶器製。天井に付けているのは発砲スチロール性ですが、この作品は陶芸家の横山弦太郎氏に特注で作ってもらった陶器の茄子とトマトが使われています。
 芸術的には、置かれた位置関係で成立している作品。2点。

 


[プライマリープライス]

 

\200,000-

[最低入札価格]

左 ¥100,000-     右 ¥120,000-


右作品入札されました。現在の価格120.000


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トマト絵
赤い額縁の中に、ドローイングに水彩の着彩の作品。
非常にきれいな透明性を持った作品。
何でも無く見えるが、彦坂尚嘉の小品における力量をみせています。

[プライマリープライス]               
100,000-                  
[最低入札価格]                    
¥60,000-   

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「ブラック・トマト」

現実にブラックトマトといわれる品種は、ロシア原産のもので存在する。そのブラックトマトを、トマトアートシリーズの作品として制作する。ここでもアートとしての根拠は、非実体性と退化性を重視するところにあります。
 

    [プライマリープライス]

\150,000-

[最低入札価格]

¥60,000- 


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「見立て/トマトと茄子」            「見立て/トマトと茄子」

    [プライマリープライス]                 [プライマリープライス]

\140,000-                   \120,000-

[最低入札価格]                     [最低入札価格]


¥60,000-                    ¥60,000- 


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大木さんが、スタジオヴォイスに4ページこの展覧会に関する記事を作りました。

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その中に彦坂尚嘉のトマト顔が使われています。

彦坂尚嘉(Hikosaka Naoyoshi
彦坂は戦後の日本現代美術史の中で極めて独自な歩みをしてきた作家です。

1946年東京生まれ。 小学校1年生の1952年より日展理事の作家・清原啓一氏に油彩画を1967年の多摩美術大学油彩科への入学直前まで師事しています。その意味で古い日本洋画のアカデミズムの体質を持った作家で、中学生から美術館博物館まわりをして、国宝や重要文化財を目で暗記することを始めているのです。その辺の出発が、最近の独自の芸術分析やアートの格付けといった発言になってきているようです。

 大学生の時はアメリカのミニマリズム、特にロバート・モリスに衝撃的な影響を受けて、ミニマリズム的な還元を絵画に適応して、木枠に透明ビニールを張った作品に至っています。それがフロアーイヴェントというラテックスという生ゴムを自宅の床に流す作品になって、デビュー作品になります。このフロアイベントは、現在も継続されていて、越後妻有トリエンナーレの最近作でも継続されています。 

1969(昭和44)年多摩美術大学のバリケードの中での美術展・造形作家同盟展でデビューした作家です。ここで前記のフロアーイベントと、ウッドペインティングという作品が始まっています。 この1969年は日本赤軍が結成された年なのですが、同じ時期に美術家共闘会議(美共闘)の結成に参加し、黒ヘルメット(アナーキスト)被って日宣美粉砕闘争、日展粉砕闘争などに参加しています。それだけでなくて、美共闘のポスターを制作していて、グラフィックな作品も、初期から現在に至るまで、制作しています。 

闘争の敗北後の総括の文章が、同時に李禹煥批判として書くと言う形で美術批評的に執筆されていて、内容的にも複雑で難解なものです(写真家の中平卓馬の勧めで執筆され、粟津潔の責任編集の雑誌『デザイン批評』に掲載された。)これがさらに展開して、1971年から72年にかけて8ヶ月間にわたって1960年代の美術の総括を美術手帖の編集部をジャックする形で行われます。それは、『年表:現代美術の50年』400ページを実現することに帰着します。  

1975年パリ青年ビエンナーレ、1981年ヴェネチア・ビエンナーレ、1987年サンパウロビエンナーレに、日本代表として国際交流基金から派遣されています。 

1999年グローバル・コンセプチュアリズム展(クイーンズ美術館、ニューヨーク)2001年センチュリーシティ展(テートモダーン、ロンドン)2007年リスボン建築トリエンナーレ展に出品していて、これだけで見れば、日本の現代美術作家としては恵まれた経歴を作っています。  

作品は、幅の広さ、多様さもあって、最近は難解だと言われていています。本人もまた晦渋で複雑で、難解な、反大衆的な作品を目指している節があります。

それはコンセプチュアルであると同時に、古典美術の教養の深さがあるだけでなくて、ファンキーで、喜劇映画を愛するという、幅の広さが生む錯綜性が、難解な印象を生むようです。  

基本にあるのは《規制されたオートマティズム》という方法で、音楽の影響が強く、オーネット・コールマンや、ブライアン・ファニホウを敬愛しています。  

主な代表作 

・フロアイベント・シリーズ
・ウッドペインティングシリーズ
・51音によるプラクティス
・アップライト・シィー・シリーズ
・フェイクデス・皇居美術館空想
・トマトアート・シリーズ・グジャグジャ君シリーズ
・青空に原爆を!シリーズ   


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大木裕之

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安倍安人

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コメント 3

柏原孝昭

彦坂様、皆様、展覧会お疲れ様でした。柏原です。

スゴイイ展示になりました。3人の作品が空間の中で励起してました。宇宙背景放射である「天井の音楽」にもビンビンと撃たれました。

なかでも、「トマトアート/3枚のガラス」では、本ブログの写真空間と現実空間、虚実の揺れがいいですね。気付かないを気付かせるのかもですが、カメラが作り出しているのでしょうか。
現実空間といってもトマトは発泡なのですが、蝶々(蛾かも)が可哀想にダマされてトマトを吸いに来ました。

居心地が良くて、長居しちゃいましたが、ありがとうございました。

by 柏原孝昭 (2009-06-16 02:01) 

ヒコ

柏原孝昭様
わざわざ来て下さって、ありがとうございました。
展覧会は、想像以上に3人が、ある意味で似ていて共振して、面白い体験になりました。彦坂流に言えば《超次元》の共通性ゆえのものでしたが、梅谷さんならではの人選と企画でした。
ジェルジ・リゲティについて、大木裕之さんも好きとのことで、そこにリゲティ好きの柏原さんまでが加わっていただいて、リゲティを介しての絶妙の会になりました。大木さんの映像の面白さが、リゲティから逆照すると、より鮮明になって理解で来てよかったです。
by ヒコ (2009-06-17 05:00) 

na

梅谷幾代さんって綺麗な人ですね

是非3人展に行ってみたいです。
by na (2009-06-19 08:48) 

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